美女たちの地獄
ホルン編
やっぱり、こんなのおかしい
そう思いながら、ホルンは男に胸を揉みしだかれていた。赤いリボンタイを首元につけ、そこから下は裸同然の姿。というか裸といっても過言ではない。胴体は透明度の高いビニールで覆われていて、乳房もヘソも、股間も丸見えだった。ご丁寧に股間部分は穴が空いている。腕と脚は黒い布で覆われていて、ちぐはぐな衣装だ。
「ホルンちゃん、逆バニー姿似合うね……。すごく綺麗だ……」
「ありがとう、ございます……、んっ」
乳首をつねられて、甘い声を出してしまう。
ホルンは今、商談材料の一つだった。
ロドスと取り引きをするとある企業のお偉いさんたちを悦ばせるためにいる。変な駆け引きをすることはない。ただ先方を悦ばせ、気持ちよくさせればいい。これ以外のことはしなくていいし、それ以外のことをするのは許されていない。
先方が求めていたものは『変な衣装を着て踊って、ハメてもいい女』。それにホルンとサイラッハ、バグパイプが選ばれたというのは……、それだけ重要な取り引き、ということだと、思いたかった。まだ二人がこの場にいないのは幸いだ。こんな姿、見られたくない……。
ポールダンスは見たことはあったが、ホルンが見たのは一つのダンスとして完成されたもので、美しい筋肉をつけた女性がポールを持って身体を自在に動かしていく。簡単には真似できないものだ。
そんなポールダンスをしろと言われた。もちろん、ダンスは求められていない。男から出た言葉は「僕らを興奮させろ」というものだった。
そういったことだって、したことがない。どうすればいいのか検討がつかなかった。
目の前のポールを男性だと思うようにして、躰を擦り付けたり、舌を出して舐めるそぶりをしてみた。それがお気に召したのか、おそらく一番偉いであろう男が寄ってきて胸を揉み出したのだった。
男の股間はしっかりと膨れ上がっていた。胸を揉まれながら、これからされることを考えながら、男と口付けをする。甘く、嬉しくなるようなキスではない。タバコと酒の匂いが顔中を、口の中を犯していくのは不愉快でしかなかったし、口の中を這いずり回る舌の感触は気持ち悪いものだった。
……こんなキスをするなら、もっと恋愛に積極的になっておけばよかった……。
男は服を脱いで、ペニスをホルンの股間に押し付けてきた。
「ホルンちゃんは処女なんだよね。元軍人って聞いてたから仲間の男どもに
亀頭で割れ目を何度もなぞられる。クリトリスが擦れると、つい声が出てしまうし、躰が丸まりそうになる。
「そう、ですね……、んっ！セックスを愉しんでいる子たちも、いまし、たがっ……、私は、相手にもされませんでした……」
それはきっとホルンの出自が関係していた。手を出すと面倒になりそうな家柄だから、遊ぶだけならホルン以外を選んだ方がいいだろう。この人も、家のことを話せばこの『取り引き』を辞めてくれるだろうか……。普通の交渉をしてくれるだろうか……。
「こんな美人を放っておくなんて、信じられないな。高嶺の花だったのかな？おかげで僕がその花を散らせるんだけどね……。ほら、愛液とろとろの処女まんこに、おちんちん入りそうだよ」
何度も擦られて気持ちよくなってしまって、愛液が止まらなかった。クリトリスを指でいじるのと亀頭でいじられるのは、全然違う。気持ちいい刺激をずっとしてこないからもどかしいし、その分いいところが擦れると気持ちよすぎるのだ。このあと、膣に侵入してくるのが分かっているし……。
自分がこんなに淫乱な女だとは、思わなかった……。
「ホルンちゃんの口から聞きたいな、どうされたいのか……」
ホルンの耳をベロベロと舐めながら男はそう囁いた。どの程度まで下品な言葉を並べればいいのだろうか。引かれて取り引きが終了してしまわないか、不安になるが……、
「ホルンの、処女まんこは、……おちんぽを欲しがっています……。お願いします、おもちゃも指も入ったことがない無垢おまんこに、おっきいおちんぽを入れて下さい。あなたのちんぽで、ホルンを、……女にして下さい」
「いい子だ……。それじゃあ、よし、このまま腰を落として自分で処女膜を破りなさい」
「……っ」
男が少し腰を落として、挿入しやすいようにしてくれた。できれば、こちらの意思を無視して挿入して欲しかった。
自分の手でおまんこを広げ、穴の入り口に亀頭をあてがう。これで処女ではなくなる。知らない男に、自分から腰を落とした女になる……。
「はぁ……っ！あっ！あああ……！」
思ったよりも痛かった。ブチっと膜が破れる音が躰中へ響いて、異物が入ってくる。いや、自分で入れている。メリメリと躰が広がっていく感覚。異物を追い出そうとするかのように強張る躰。息が思うようにできない。
「あ……、あ……。はいり、ました……。処女まんこに、おちんぽ♡きました……♡」
「うんうん、自分からちんぽを入れる処女になれて偉いね。それじゃあたくさん動いて、ちんぽの良さを知ってもらうからね。ホルンちゃんも動くんだよ？僕も動くからね。二人でセックスしようね」
「あは……、はぃ……」
自然と涙が出てきた。
これできっと商談はうまくいくんだろう。そんなことを考えながら、腰を前後に動かす。男は奥をぐりぐりと押し上げてくる。立ちながらはじまったセックスは、やがて床へ倒れ込み、ホルンが男の上で腰を振るようになっていった。動き方なんて分からない。気持ちいいかも分からない。でも声は勝手に漏れ出す。ペニスが躰を突く度に「あっ、あっ、あっ」と声が出てしまう。
体勢を変えて、ホルンが四つん這いになり、後ろからペニスを突き立てられる。さっきよりも深い場所を抉られて、大きな声が出る。
「はあああ！ああっ！あああ！ダメです！この体勢、ダメっっ……！」
「気持ちいいんだね。おまんこがぎゅうぎゅう締め付けてきて、ちんぽを離したくないよぉって言ってるよ。初めてのセックスなのに、ちんぽが大好きなんだね。それじゃあ
ざー、めん……？どこに……？
「あ、あ……、いや……」
「あ？なんつった？」
ブロンドの髪を思い切り引っ張られ、思わず「ザーメンほしいですっ！おまんこに、処女まんこに中出ししてくださいっ！女にして下さい！」と口走ってしまった。いやだ、いやだいやだいやだいやだいやだいやだ……！
「ああ、ホルンちゃん……、いい子だ……。いい子には特濃ザーメン注いであげるからね」
「あっ！あっ！あっ！はぃっ、うれし、です♡」
男の腰の振りが早くなった。ホルンの綺麗な膣壁を何度も擦って犯していくペニス。勝手に出てしまう声。
「
「あああっ！ああっ……！あ……っ」
びゅる！びゅる！
ペニスから伝わってくる強い脈。
コンドームなどしていない、生のペニス。
ピッタリとくっついたホルンの尻と男の股間。
汚されてしまった……。知らない男に、何もかもを壊された……。
「あ、ありがとう、ございます♡女に、なれました……♡」
おまんこから大量の精液を垂らしながら男に礼を言う。
やっとおわった。あとはバグパイプとサイラッハだが、二人がうまくやれば、仕事が終わる……。
「ホルンちゃん、まだ終わってないよ」
「へ…？」
「ほら、仰向けになって、腕を頭の後ろで組んで。足を、そう、いっぱい広げて……。うんうん、下品だ」
まだ終わらないのか……。でも、大丈夫。好きなだけ犯せばいい。耐えてみせるから。
「ホルンちゃんは、源石の可能性をどれくらい感じているかな？エネルギー源、アーツの源……。マイナスな面もプラスな面もあるね。まあそんな大それた話じゃない、僕らはもっと単純にこの力と向き合いたいと思っていてね。ほら、オリジムシっているだろう？地べたを這いずり回る汚らしい蟲。あれに着目したんだよ」
「……？」
オリジムシ？なんだろう、これからオリジムシが出てきて、犯されてしまうのだろうか……。大人のオモチャとして売られているとも聞くし……、ありえなくはない。
「僕はね、ホルンちゃん。綺麗なものが汚れる瞬間が、一番美しいと感じるんだ。例えばさっきのセックス、ホルンちゃんが汚されるシーンは高く売れると思うんだ」
「……！ろ、録画して……⁉︎」
「もちろん許可は得ているよ。安心して、顔にはぼかしを入れるから。それでね、処女喪失の他にもう一つ人気なジャンルがあるんだ」
目の前に白い箱を持った男が立った。大きめで、平べったい箱だ。ガサガサと音がしているから何か生き物が入っているようだ。オリジムシならもっと正方形に近い箱になるだろうから、中身は一体……。
そんなことを逡巡していると男はホルンの前に跪き、箱をそっと開けた。
中から黒い何かが出てきた。
黒い、は比喩ではない。光に当たったところは茶色いが、それ以外は黒く見えるのだ。長くうねる触覚、何も考えていなさそうな眼。てらてらと光る硬そうな翅に、毛が生えた、しっかりとした六本の脚。
幼い頃、キッチンで見た。
軍学校にいた時は、自室で見た。
戦場でも見た。
ロドスでも見る。
自然の中では重要な存在らしい。何でも食べるから、お掃除屋さんとしてなくてはならない存在なのだとか。
しかし人間社会では嫌われている。
不衛生だし、たくさん子を産むし、駆除も大変だ。
好きだと言えば変わり者として見られるだろう。ホルンだってソレのことは好きではない。
名前を言うのを嫌う人だっているくらいだ。
そんな人間の嫌われ者が、ホルンの腹に乗った。普段見るサイズよりも何十倍も大きくなっているので、ずっしりと重い。
「——————‼︎」
声が出なかった。
出せなかった。
心臓が口から飛び出そう、とはまさにこのことだ。
「大きいゴキブリでしょ。生命力があるからか、源石を与えても死ぬ個体が少ないんだ。むしろすぐ適応しちゃったくらいさ。この子はまだ、子孫を残すという大事な役割を経験していないんだ。男の子だから、童貞なのさ。ホルンちゃんが男にしてやってくれないかな？」
男が何か言っているが、何を言っているかわからなかった。頭の中は恐怖でいっぱいだった。動けば殺される気がした。鋭い顎で腹を引き裂かれるかもしれないと。声だって、叫べばこの蟲が何をするかわからない。何をされるか分からないから、目を離すことは出来なかった。
やめて……
「すごいね、他の女はみんな暴れて取り押さえるのに苦労するのに。これが元軍人ってことなのかな？まあそれはそれとして、コイツはメスの臭いに敏感になってるんだ。人間の愛液でも反応するようにしたのは苦労したがね、おかげでほら、すぐちんぽが出てくるんだ」
「……やめ……」
「ん？なんだい？」
「とって、下さい……。蟲は、いやです……。ソレ以外なら、なんでもします。お願いします……」
自分でもびっくりするくらい声が震えていた。
「ダメだよ、これも許可されてるからね。ホルンちゃんは今から嫌われ者のゴキブリのちんぽを、その汚れたおまんこに入れるんだ。ピストンされて、射精されて、ゴキブリとセックスした女になるんだよ」
「はあっ！はあっ！」
頭の中がパンクしそうだった。ゴキブリが腹の上に乗っている。ゴキブリの重さを感じる。ゴキブリの脈を感じる。股間に何かが当たるのを、感じた。
「やっ……」
言い終わる前に、何かが一気にまんこの中を貫いてきた。
人間のペニスよりも太く、ごりごりする何か。
しっかりと硬さがあるので、締め付けると何かをより感じてしまう。
そして、やっと声が出せた。
「いやああああああああああ‼︎やめてえええ‼︎抜いて‼︎おちんぽ抜いてえええええ‼︎いや！いやーー‼︎助けて‼︎助けてええええ‼︎やだあああああああああああああ‼︎」
気付けば四肢を男たちに押さえつけられていた。全く抜け出せない。おまんこに入っているゴキブリのちんぽも抜けることがない。
「あっ！あっ！あっ！やだ！やだああ‼︎あんっ！は、あっ！ぬい、てぇ！お願い！お願い！ゴキいや！あん！いや‼︎やめっ、あっ、あんっ！やら……っ！あっ！ぬい、てっ、え……！」
力強いピストンだった。これが人間だったら、好きな人とのセックスなら、さぞ幸せを感じたに違いない。
膣の奥を突かれているのがわかる。こんこんとお腹の一番奥を何度も叩かれる。入り口の方は一番ペニスを感じた。返しでもついているのだろうか、抜かれるたびにおまんこの中が抉り出されているような感覚がある。何度もおまんこがゴリゴリと擦られ、それが、気持ちいいと感じてしまっていた。
「あっ、あっ♡おね、がいっ、しまっ♡ふゅ♡ゴキ、とって♡あっ♡あっ♡ちんぽ、いや♡ゴキ♡きもち、よく♡はああん♡なりたく、ない♡あん♡」
人間のちんぽとは全然違う、蟲のちんぽ。子孫を残そうと、メスのホルンを必死に犯し、射精しようとしている。
「やめて欲しいかあ。じゃあ、今どんなことされてるか、どう感じてるか、ちゃんと言葉にしてごらん。そうしたらとってあげる」
「あひっ♡はいっ、いいまひゅ♡えっと、今巨大な、ゴキブリに♡おまんこを犯されてます♡ゴキブリのおちんぽを、すんなり入れてしまった、淫乱♡まんこです♡あっ！入り口が、あっ！ひろがって、きもち♡いいです♡はああん！おく！奥まで、届いてっ！ます！おまんこの中、ゴキちんで、いっぱいになっへ♡ますぅぅぅ♡んあああああ♡あっ、あっ♡そこっ、だめ♡まって、そこ、赤ちゃんつくるとこ♡あっ！あっ！あああああああああああああああ♡」
じょろじょろと音を立てて、盛大に失禁してしまった。しかしそんなことどうでもいい。ゴキブリのペニスが、ホルンの子宮の中へ侵入してきたのだ。
「ねえ♡だめ！おねがい！そこ、エッチする場所じゃないの♡しきゅ♡だめ♡おまんこに、戻って♡おまんこなら、いいから♡おねがい、おねがい♡おまんこ♡はっ！ああ♡あんっ」
「ホルンちゃん、この子はエッチしてるんじゃないんだよ。メスを孕ませるためにセックスしてるんだよ。この意味わかるね？」
「へあ……♡」
「ホルンちゃんはママになるんだよ。大丈夫、ちゃんと妊娠する精子になってるから。事例もあるんだ。ブロンドのアスランがいるんだけど、知ってるかな？その子はたくさんゴキブリを産んだよ。ホルンちゃんも元気な子を産もうね」
プツン、と
目の前が真っ白になった
人生が、終わった気がした
お腹の中が重くなっていく
おまんこからたくさんの液体が流れていく
躰は絶頂を迎えていて、おしっこがたくさん出ている
「ぁ……」
気絶はしなかった。したほうがよかったかもしれない。夢で終われたかもしれないから。
「あーあ、とるまえに射精されちゃったね……。どう？ゴキブリとのセックス。こいつらは子孫残すために必死だから、メスのことなんて構ってられないんだよ。元々小さくて弱い存在だから、繁殖力がとてつもないんだ。だからしっかり妊娠するよ。大丈夫、産むまでは僕たちのところでしっかりお世話してあげるからね。にしても、いい映像になるぞ。ここまで蟲でヨガる女は初めてだ」
パンパンに膨れた腹を撫でられる。
悔しいとか、悲しいとか、絶望とか、そんな感情は湧いてこない。
ただ、静かに涙を流すことしか出来なかった。