パフューマー
ラナとドクター
終業時刻はとっくに過ぎていたが、療養庭園の管理人であるパフューマー——ラナは、調香をする為の部屋で一人、ノートと複数の試験管を交互に見やっている。庭園で休養しているオペレーターたちの為、アロマオイルを調合している最中だ。
部屋には金属製の戸棚が十二台並んでいる。中には大小様々な瓶が整然と並べられており、瓶の全てに植物の名前が書かれたラベルが貼ってある。
シンクとコンロも設置されており、周りの壁にはトングやシリコン製のスクレーパー、ボウルやザルなどが掛けられていた。シンクの下の棚にも様々な調理器具が仕舞われている。
「これだと、ちょっと強すぎるかなぁ……」
ぽつりと独り言を呟いてノートをペラペラと捲り、目的の情報を探し出す。戸棚から瓶を三つ手に取ると、新しいピペットを用意して椅子に座る。作業台には同じような瓶が既に五つも出されていたが、それだけでは納得のいくものが出来なかった。
試験管に入っている透明な液体に、ピペットで吸い上げた液体を一滴垂らす。同じ透明の液体だが、よく見ると垂らされた液体が試験管の中でじんわりと広がっていくのが見える。ラナは試験管を軽く振り、鼻に近づけ手で仰いで匂いを嗅ぐ。もう一滴垂らして掻き混ぜ、再び匂いを嗅ぐ。
なかなか思い通りの香りにならず、ため息が出た。色艶の良い大きな耳が垂れ下がる。しかし直ぐに気を持ち直し、品の良い桃色の唇を舌で舐め、もう一度試験管と向き合った。
身体に傷を負えば、薬を塗布したり、場合によっては手術もする。咳や熱が出れば、解熱剤などが処方されるし、心に負った傷なら、脳に働きかける薬と、カウンセリングがある。様々な治療が行われる中、
身体についた傷は香りでは癒えない。しかし、なかなか治らない傷であったり、完治はしたが傷跡を見る度に苦しくなったり、脳に刻まれてしまった辛い体験を頻繁に思い出してしまうといった人々の心を、少しでも和らげる事は出来る。カウンセリングとは違うアプローチで、そして普段から取り入れ易い形で、オペレーターたちをサポート出来るのは、やりがいに満ちた仕事だ。
ケルシーや医療チームからは評価を得ているし、実際庭園に訪れた人たちは理解もしてくれるのだが、香りがもたらす効果を訝しむ人はまだまだいる。知らしめたい訳ではないが、普段からアロマを取り入れて、リラックスしたり、気持ちをリセットする日々を送れば、必要以上に心の傷が深くなる事も、少なくなると思うのだ。
日々誰かが戦場に赴き、鉱石病患者はいずれ来る未来に苦しんでいる。ラナ自身も悲惨な戦場に赴くし、感染者だ。その辛さは分かってあげられる。悲観して人生を終えて欲しくない。いつ鉱石病の特効薬が出来るかも分からないし、感染していたって長く生きる事が出来るかもしれないのだ。
ならば、少しでも人生が楽しくあってほしい。その手伝いを、させてほしい——
白く細い指を顎に持っていき小首を傾げては、入れた香料の分量や匂いの違いをノートに記し、再びうーんと唸る。
「これじゃ……、合わないかなぁ……」
陽は大地の向こうに沈み、空の橙は濃紺に追いやられている。月は白く、星は小さく瞬いているが、ラナは外の様子など気にもかけず、試験管と睨めっこを続けていた。
ふいに、訪問者を告げるベルの音が鳴り響いた。
顔を上げ、ようやく外が暗くなってきた事に気付いたラナは、この時間にやってくる者のため、作業台の上を片付け始めた。試験管と瓶にしっかりと栓をし、ノートと筆記用具を所定の位置に戻したところで、訪問者が扉を開けて部屋に入ってきた。
「まだ仕事してる」
白衣の上に黒いコートを着た男性は、フードを深く被っており顔の様子は窺い知れない。不穏な見た目だが、ラナにかける声は優しさに満ちている。
「ドクターくん」ラナは毛並みの良い尻尾を揺らしながらドクターの元へ駆け寄る。
「ダメだろ、残業なんて」
「そういうドクターくんも、今まで仕事をしていたんでしょう?」
「まあね」と言いながら、ドクターはラナの頭を優しく撫でる。男性らしい大きな手のひらの動きを、目を瞑って堪能する。ラナはこの手が大好きだった。
好意を持たない相手から頭を撫でられるのは、不愉快でしかない。人の良いラナであっても、誰彼構わず触れる事を許している訳ではないし、ドクターも見境なく頭を撫でる訳ではない。
ラナにとってドクターは特別な存在で、ドクターにとってもラナは特別な存在だった。
◆ ◆ ◆
普段は取らないフードとマスクを外し、ラナの瞳を見つめる。柔らかい頬を撫でられ、これからされる事を察し目を瞑るラナの唇に、そっと唇を重ねた。
まだ慣れない口づけに、ラナは小さく震えている。自分も緊張していたが、そんな素振りを見せないよう「落ち着けと」言い聞かせながら、ラナの唇を
柔らかく潤った唇をそっと舌で触れると、ラナは「んっ」と身体を強張らせた。優しく頭を撫で、ラナと手を繋ぐ。
ラナと関係を持ったのは、ついこの間の事だ。
薬ではなく香りで人々を癒したいという、少し変わった医療オペレーター、というのがラナへの第一印象だった。戦場に連れて行った時は少し不安だったが、しっかりと役割を果たしてくれたし、ラナが纏う香りで前線に立つ者も調子が良いようだった。
そんなラナを、気付けば目で追っていた。
笑顔を絶やさず、誰にでも好意的で、怒鳴ったり泣いている所を見ない。療養庭園ではよく泥だらけになって草花を手入れしている、優しい女性なのだと感じた。
いつからか目が合うようになり、二人で過ごす事が増え、信頼出来ると思ったので秘書にもした。気付けば、忙しくなってもずっと柔和な笑顔を向けてくれるラナの事が、好きになっていたのだ。
舌で唇をなぞり、先端を中に入れる。歯を撫でると、閉じていた口が少し開いた。ラナは両手でドクターの腕を強く握り、初めての感覚に怯えているようだった。
「もっと口、開いて」
優しく囁いたつもりだったが、少しだけ声が震えてしまう。そんなドクターに気づいたか定かではないが、ラナは恐る恐る口を開いて、ドクターの舌が入ってくるのを許してくれた。
舌で舌を撫でる。「んう」と漏れる可愛い声をもっと聞きたくて、舌の裏側、上顎、歯と、ラナの口の中を舌で舐めまわす。ラナの舌はされるがままで、口づけをしている時は息を止めていたのに、それも忘れて熱い吐息と甘い声を我慢せずに出している。
「ラナの舌もちょうだい」
「はぁ……、ぁ……」
すっかり頬を赤く染めたラナは、少し躊躇し、舌を口の中へ入れる。ドクターと同じように、ゆっくりと舌や歯をなぞる。舌を懸命に伸ばしても上顎には届かないようで、ぐいぐいと唇を押し付けてなんとか舐めようとするラナが、とても愛しかった。
ラナの舌を優しく吸うと驚いて離れようとしたが、身体をぎゅっと抱きしめて逃げられないようにした。細い身体は少し力を入れれば折れてしまいそうで、少しだけ不安になる。
「んんっ、ふぅっ……」
唾液をラナの舌に乗せ、再びラナの口の中へ侵入する。ラナも真似をしてドクターの舌を吸い、舌を絡め、唾液をドクターに渡す。
どれくらいそうしていたか分からない。やっと口が離れた時、唇が少しだけジンと痛み、ラナの頬は熱を帯び、瞳を潤ませてドクターを見つめていた。
「エッチなキスだね」
「ドクターくんだって……」
ぽーっとしているラナに再び口づけをし、そっと胸に触れる。ビクっと躰が緊張すると、ラナは胸に触れてくる手を抑えた。
「ど、ドクターくん……、あの、ここでは……」
もう一度唇を重ね、ラナの抑制を押し切って胸を撫でる。ラナの手の力は抜け、唇と舌を感じながら、手のひらの動きに身を捩っている。
「はぁっ、はぁ、ドクター、くん……。こんな、工房で、なんて……」
これからする事、される事を、普段仕事をしている場所で行うのは抵抗があるらしい。ラナは頬を染めて、戸惑っているようだった。
「ごめん、でも我慢出来ない……」
せいぜい執務室で軽くキスをし、熱く見つめ合うくらいしか出来なかったのだ。大人な二人にはそれだけでは物足りない。もっと強く、深く愛し合いたいのだ。
「それとも、ラナはしたくない?」
ラナはドクターの首に両腕を回し、背伸びをして口づけをしてきた。舌を絡めながら、「そんな事、ない……。私も、ドクターくんと、したい……」と脳が痺れてしまうくらい、甘い声で囁いてくれた。
「あッ……、あ……」
両手で胸を優しく包み、人差し指で乳首を引っ掻く。擦れるたびにラナは声をあげ、身を捩る。ゆっくりとワンピースの胸元を下ろすと、白く柔らかいパンのような乳房に、薄いピンク色の乳首が現れた。ツンと上を向いている乳首を摘む。痛くしないように気をつけたが、ラナは思ったよりも大きな声で喘いだ。
「ああッ!ふぅ……、んんッ!」
「痛かった?」
ラナは下を向きながら首を振る。
もう一度摘むと、躰がビクっと震え、官能的な声を漏らす。
「はぁ、はぁ、ああ!や、ドクター、くんっ……」
硬くなった乳首を口に含み、舌に力を込めずに優しく舐める。
初めて舐める乳首は思っていたよりも硬く、そして甘い匂いがした。ラナは普段から香りを纏っているが、それだけではない、女性特有の甘い香りがする。
「あっ、あっ、ドクターくん、……あっ!」
ラナの腕を撫で、腹を撫で、背を撫でる。どこに触れてもラナは反応してくれたし、果実を舐めると甘い声をあげてくれるので、嬉しくなってしまう。
蕩けているラナからワンピースを脱がす。
「綺麗だよ、ラナ」
優しくキスをしながら肩を撫でるが、ラナの震えは収まらない。
腕を下半身に伸ばし、ショーツ越しに割れ目を撫でると、ラナは躰をくの字に曲げた。腕を掴まれたが、指で割れ目を撫で続ける。
「あっ……!あっ」
ショーツから愛液が染み出し、指の滑りを良くしていく。割れ目の少し上の方に指をやり、小さな突起に触れる。瞬間、ラナは大きな声をあげ、足をぎゅっと閉じる。
「ああッ!そこは……!ああッ、んんッ!」
ラナはドクターに懸命にしがみ付きながら、足をガクガクと震わせて込み上げてくるものを我慢しているようだった。ショーツ越しクリトリスを優しく撫で続け、ラナの頭も優しく撫で「ここ、触ったことない?」と囁くと、整った毛並みの耳がピクっと動いた。
「……えっ、と……、ふうっ」
言い淀んでいるという事は、触っているらしい。しかし恥ずかしいからか、ラナは口の中で言葉を溜め込んでいる。指の動きを止め、秘部から離す。
「オナニーしたことあるの?」
「ッ……」
再び耳が動く。やはり恥ずかしいから口に出来ないようだ。指をラナの耳の穴へ当てがい、中をくすぐる。目を閉じてくすぐったいのを耐えているラナに、再び問う。
「あるなら言って。本当の事言わないと、続きしてあげられないよ」
腕を掴む手の力が、少し強くなり、ラナの目は徐々に潤んでくる。なぜ恥ずかしい事を言わねばならないのか、でも続きはして欲しい、という感じか。ラナは目を少し伏せ、瞳を右へ左へ泳がせた後、息を小さく吐き出して、ドクターを見つめて言った。
「あ、ある……。一人で、したこと、あるわ……」
「あるんだね。どこ触ってるの?」
指を再びショーツに当てがい、先ほどよりも弱い強さで肉芽を撫でる。ラナは小さく喘ぎながら「ち、乳首を、さわって……、それから、その、く、クリを……あッ!クリトリス、触るの……」と、震えた声で教えてくれた。
「どこでオナニーするの?」
「はぁッ、あ、よく、するのは、シャワーを、浴びながら……。寝る前に、ベッドの上で、することも……、あああッ、んんッ!」
「エッチなんだね」耳元で囁くと、ラナは「違う、違うの」と必死に弁明した。瞳を潤ませて肉芽を触られ、喘ぎながらエッチではないと否定するラナの姿は、加虐心を煽っているようにしか見えない。
「エッチな子、好きだよ」
「はぁっ、はぁっ!……くぅッ!」
好きだよと言うと、ラナの躰の力が少し抜けたように感じた。そして、喘ぎ声が少しだけ大きく、激しくなる。頭を撫でながら肉芽も撫で、耳元で「ラナはエッチだね」「大好きだよ」「もっと気持ち良くなろうね」と囁くと、ラナは小さく頷きながら、徐々に足を広げてくれた。自分から気持ち良くなりたいと、素直に躰を預けてくれたので、ラナの反応が良い肉芽の先端を指の腹で優しく撫でてやる。
ショーツはすっかり愛液に濡れ、開かれたラナの太ももには蜜が絡んでいた。下着の中に手を入れ、直接割れ目をなぞる。ぬるぬるとした蜜が大量に指に絡まる。
濡れた指で肉芽を撫でると、ラナの腰がドクターから離れた。それでも指は肉芽から離さず、動きを止めない。くちゅくちゅと小さな音を立てながら、一定のリズムで肉芽を刺激する。懸命にドクターにしがみつき、躰を震わせているラナが愛しい。
「あ、はぁっ!ああ、あ、んんッ!だめぇ、そこは、ダメ……」
ドクターは言われた通り、ダメと言われたので肉芽に触れるのを辞める。秘部から指を離し、愛液に濡れる指を舌でゆっくりと味わう。じゅるっと音を立て、舌で指に絡まったものを舐めるドクターの姿を、ラナは瞳を大きく開け、真っ赤な顔で見つめている。
「やだ……、舐めちゃ……」
「でも、触るのはダメなんでしょ?」
ラナの瞳が再び潤み始める。もちろん「ダメ」というのが本当にダメという意味で発された言葉ではない事は分かるが、ラナを虐めたい気持ちが強くなってしまった。
ラナは「いじわる」と小声で言うと、「ダメじゃない……。クリトリス、触って欲しいの……。気持ち良いから、辞めないで……」と自らショーツを膝まで下ろし、快楽を欲しがる下半身をドクターに見せつけてきた。愛液が垂れる秘部を、柔らかい太ももを、あのラナが男の前で曝け出している。
「良い子だね。凄くエッチだ。大好きだよ、ラナ」
囁きながら指で肉芽をぎゅっと押し付け、左右に指を動かす。くちゅくちゅと音が立ち、ラナの足がガクッと崩れそうになるが、何とか持ち直す。
指の力を抜き、離す。ぴたぴたと指を付けたり離したりした後、再び左右に動かして、肉芽の先端を指の腹で撫でる。ショーツの上から撫でられるよりも激しい刺激がラナを襲い、大きな声がラナから出る。
「あああッ!それ、だ……、くうううッ、ううううッッ!」
ダメという言葉を飲み込み、足を震わせて快楽を受け止めている。
「気持ち良いなら、そう言って。ここには俺しかいないから。誰も聞いてないよ」
「あッ、あッ!あ、ううッ!きもち、いいッ、ドクターくんっ、ドクターくんッ……‼︎」
花弁には何度も力が加わり、その度に愛液が漏れ出てくる。肉芽を擦っているだけなのに、花弁に触れている他の指まで愛液に侵食されていく。
「きちゃう!ドクターくん!もうっ、むりッ……!ああああッ」
ガクっと膝を折り、床に座り込む。
ドクターも一緒になって座り、皮から身を乗り出した肉芽を構わず擦り続ける。
「やあああ!だめぇぇぇ!イってる、イってるぅ!」
叫ぶラナの事など構わずに指を動かしていると、再び躰が大きく震え、やがてラナの足元に水溜りが出来た。
指を離すとラナは力なくドクターに寄りかかり、呼吸を整える。
「いじわる……」
真っ赤になったラナは、涙を浮かべた瞳でドクターを睨みつけた。ごめんごめんと軽く謝ると、ラナは頬を膨らませる。普段淑やかな彼女がこんな風に乱れたり、怒った顔をするのが堪らなく愛しい。
「俺も、いいかな」
ラナの手を取り、足の間へ持っていく。ラナの指がスラックスの中で硬くなったそれに触れると、指が強張り、手元へ熱い視線が注がれた。驚いた表情だったが、初めて見るものへの好奇心が抑えられないように見える。
ゆっくりと指が動く。ぎこちない動きにもどかしさを感じながら、ラナのしたいようにさせてみた。細い指の感覚が布越しに伝わってくる。根本から先端の方へと撫でられ、手で包み込まれ、少しだけ力を入れて竿を撫でられる。
堪らずスラックスと下着を下ろすと、
「舐めてほしいな」
近くにあった椅子に座り、ラナにおねだりをしてみる。いきなりの要求だし、初めてなので断られても構わなかったが、ラナは目を白黒させたあと、ゆっくりと深呼吸をするとドクターの前に膝立ちになり、そっと竿に唇を寄せた。
「ん……、ふぅ……」
舌先で竿の裏をじっくりと舐められる。ラナは目を瞑っており、顔はずっと赤いままだ。根本から中ほどまで舌を這わし、裏筋を舐める。
「口で咥えて」
ラナと目が合う。眉をひそませながら目の前の肉棒を少し見た後、再び目を閉じ小さく深呼吸をする。可憐な唇が開かれ、欲棒の先を覆い、そのまま深く飲み込んでいく。
「んふ……、ふぅ、ふぅ……んッ」
温かい口の中で、キスをした時に舐め合った舌が肉棒と擦れる。舌の腹で竿をねっとりと舐め上げられ、ラナの顔は少しずつ緊張が解れていく。
辿々しい動きだが他の人には見せたことがない顔を見ていると、それだけで興奮する。徐々に荒くなる鼻息、時折口から漏れる熱い吐息が股間に掛かる。ラナの頭をそっと撫で「気持ち良いよ」と囁くと、ラナは少しだけ微笑む。
「ふぁ……、はぁ、ふぅ、んっ、んむっ」
気持ち良いと言われた事が嬉しかったのか、ラナの舌の動きが少しだけ快活になる。唾液を出し、竿全体に塗り込む。じゅる、じゅる、とラナの口元からいやらしい音が響く。舌先で根本から先端までを一気に舐め上げると、今度は先端から根本へ舌を這わす。裏筋に触れる度に腰がぴくんと動く事に気付いたラナは、カリ首や裏筋を丹念に舐め始めた。
「んふ……、ふぅ、ふぅ……」
敏感な部分を舐められ、顔が少しだけ歪んでしまう。頭を撫でる手の動きが止まり、舌の動きに集中していると、今度は鈴口に舌が触れた。
「んっ」
突然の感覚に思わず声が出てしまい、ラナが慌てて口を離す。
「ご、ごめんなさいっ。痛かった……?」
「いや、気持ち良いよ」
微笑みながらラナの頭を撫でると、ラナもようやく柔和な笑顔を見せ、再び肉棒を口の中へ含む。鈴口をちろちろと舐めた後、再び裏筋を舐める。舌先で、舌の腹で、ゆっくりとした動きだと思ったら、急に早くなる。滑りが悪くなると口をもごもごさせて唾液を分泌し、顔を股間に押し付けて肉棒の根本で舌を丹念に動かす。
「激しくしてもいい?」
ラナの頬を指で撫で「唇に力を入れて」と言ったあと両手で頭を掴むと、ラナの頭を勢いよく股間から離した。唇が肉棒の中程まで移動したら、再び股間の方へ戻す。
「んん゛ッ!んう゛!」
いきなり頭を動かされて驚いたようだが、言われた通りに唇に力を込めて竿を扱く。これが気持ち良いらしいと分かったラナは、少しでも滑りを良くする為、更に唾液を絡め、首の動きもドクターに合わせる。
「んぶっ、ん、ん、んうっ、ふぅっ、んぐっ」
じゅぼじゅぼと音が立ち、肉棒をしゃぶるラナの顔が唾液で汚れていく。
ラナはドクターを見上げながら、口の中で舌を動かし、唇と一緒になって竿を刺激し続ける。
椅子から立ち上がり、ラナの顔を固定して夢中になって腰を振り続けた。玩具のように扱われるラナは目を閉じて、ドクターのされるがままだが、何処となく幸せそうな表情に見える。
「はあ、ラナ、口の中、凄く気持ち良いよ」
「んふ、ふうっ、ふうっ」
腰の動きを止め、ゆっくりと喉の奥まで腰を進めてみる。ラナは顔を歪めながら、太いものを喉で受け入れてくれた。ぎゅっと喉が締まり、緊張が解れる。再びぎゅっと締まり、ラナから小さな嗚咽が漏れた。
「ごめん、苦しいよね」
ラナはドクターと目を合わせ微笑むと、自分から肉棒を喉の奥へと誘った。ドクターの腰に腕を回し、嘔吐感を懸命に堪えて竿を根本まで飲み込む。亀頭の先端が何度も小さく締め付けられ、ドクターの太ももにラナの唾液が垂れていく。
「あ……はぁ……」
ラナは自ら首を動かし、喉の奥を使って肉棒を扱き始めた。初めてのフェラチオでここまで献身的にしてくれるとは思っていなかった——
「俺も動くね」
ラナの頭を掴んで、ゆっくりと喉の奥を犯す。ラナの温かい口の中を、肉棒は何度も出たり入ったりし、その速度は徐々に早くなっていった。
「んぶっ、う゛う゛ッ!う゛う゛う゛」
ラナの苦しそうな声を無視して、腰を振り続ける。
「凄いよ、ラナ。喉でちんぽを扱けるなんて……」
「ん゛っ、んう゛っ、ん゛ん゛‼︎」
ぬるぬるとした唾液が亀頭にまとわりつき、まだまだ奥へ進めるんじゃないかと思える。しかしこれ以上は流石にラナが可哀想だった。眉を顰め、目をギュッと瞑り、口からは大量の唾液が垂れている。辛そうにしているが、首は腰に合わせて動き、それが止まる気配はない。健気に男根を口の奥で扱くラナを見ていると、本当に申し訳なく思うのだ。それで血液が更に集まったとしても、本当に申し訳ないと思っているのだ。
「えぅ……、ぁ……、は……」
喉を亀頭で何度も擦り、突き、ラナが涙を流している。
ふと目が合うと、ラナが微笑ったような気がした。こんなに酷く扱われても、慈愛に満ちている——そう思ったら、気分は最高潮に達した。
「ラナ、イクっ……、
先端から白濁液が飛び出す。ラナは驚いて口を離そうとしたが、頭を力強く抱えて股間に押さえつけた。肉棒から出る濃い欲が、ラナの喉に直接注がれていく。ラナは目を瞑り、何度も喉を鳴らして大量の精液を胃の中に流し込んでいった。
ようやく射精が終わると、肉棒は力を無くして少しずつ柔らかくなっていく。
「ごめん、乱暴にして……」
ラナは首を振り、ドクターの熱を飲み込んだ口元を微笑ませ、「気持ちよかった?」と優しく肉棒の先端を舐めながら聞いてきた。
「ドクターくんが私の口で気持ち良くなってくれて、嬉しいわ」
◇ ◇ ◇
「あっ、んん……、んっ。はぁ、はぁ、は、あああッ」
普段調香をする部屋に甘い声が響き渡る。ステンレス製の大きな作業台の上に座らされ、濡れそぼった蜜壺に中指を突き立てられている。
「ラナは指を入れてオナニーする?」
「あ、あまり……。んっ、気持ち良く、なくて……」
「クリ派なんだね。ここはどう?」
熱った躰が徐々に作業台にもたれ掛かれていく。中指が壺の入り口付近を擦る度、胸が大きく揺れ、躰に力が入らなくなる。
「うん、気持ち良い……、自分の、指よりも、ずっと、良い……」
Gスポットを丹念に愛撫され、膣の締め付けが強くなる。歯を食いしばって快楽を耐えるが、ドクターの執拗な責めには抗えず、さらけ出した尿道口から潮をぴゅ、ぴゅと、何度も吹き出してしまう。
「我慢しなくていいよ。さっきいっぱい漏らしたでしょ」
「……ッ、でも、ドクターくんに、かかっちゃ……」
足を広げ、両肘で懸命に上体を支えながら、潮を吹く事を耐える。白い躰の上で、柔らかい胸が弾んでいる。乳首はピンと勃ち、じっとりと汗で濡れていた。
「気にしないでいいのに。それとも、そんなに気持ち良くない?」
「そんなことっ……!ああッ!ああッ‼︎」
気持ち良くない訳がない。愛液はとめどなく溢れてくるし、潮の決壊ももうすぐそこだ。
ドクターは指が入った秘部に顔を近づけると、漏れ出る潮を舐めとった。花弁を舌先で擦り、肉芽を舌の腹でねっとりと舐め上げる。熱い舌で敏感な肉芽を舐められ、腰が思わず持ち上がる。足は震え、躰は作業台の上に完全に倒れ込んだ。
「はあッ、ああ!ううう……、んんぅぅ!」
懸命に欲に抗おうとするが、中指がラナの躰の中を撫で回していく。勃起したクリトリスを舐められ続け、入り口付近も指で押され、快楽を我慢する事が難しくなっていく。
「んああ、また、イクっ……」
「いいよ、イって」
クリトリスを舌先で転がされると、躰がビクビクと痙攣した。膣内もぎゅうぎゅうと締め付けを増し、尿道から透明な液体が勢いよく出てしまう。
「顔、離して……、あああぁぁッ」
絶頂するラナの肉芽をぺろぺろと舐め続けるドクター。ずっと膀胱の中で押さえ込まれていた潮が漏れ、ドクターの顎へ、ラナの柔らかい尻へと流れ落ちていく。作業台の上で力なく横たわりながら、胸を大きく揺らして、舐められる肉芽に合わせて甘い悲鳴と潮を出し続けた。
「はぁ、凄いね、いっぱいお漏らししちゃったね」
「ひぐっ、うぐっ、ドクターくんの、いじわる……」
「嫌だった?ごめんね、もうしないから」
膣から指を抜き、舐めながら片方の手で太ももを撫でられる。敏感になっている躰には刺激が強く、きゅっと締まった割れ目から愛液が漏れ出る。
「……いじわる……。ま、また、して……ほしい……」
「良かった。また今度、いっぱい舐めてあげるからね」
ドクターは少し背伸びをして、
これから、初めてドクターと繋がる。
「辛かったら言ってね、すぐ抜くから」
こくんと小さく頷く。
それを確認したドクターは、怒張した肉棒を、何も知らないラナの中へ押し込んでいく。
愛液で十分に蕩けていたし、肉壁も解れてはいたが、何も挿れた事がない躰は初めての異物を押し返そうとしている。
「ぐう……、ううッ……」
思わず声が漏れた。手を握り、抜いて良いか尋ねられたが、首を横に振る。
再び腰が動き、肉棒が中程まで膣内に咥え込まれた。
ゆっくり、ゆっくりと奥へ侵入される。
「全部入ったよ」
「は、あ……、うん、……嬉しい。……ッ!ふ、うっ!」
ぎゅっと目を瞑り、歯を食いしばって痛みに耐える。
そんなラナとは反対に、ドクターは熱い肉壁の感触に身を委ねている。
「凄いよ、ラナの中……。キツいのに、柔らかくて、凄く熱い……」
「はぁっ、ドクターくんのも、凄く熱いわ……、はぁっ、お腹の中、ドクターくんでいっぱいになってるのが、わかる……」
ずっ、ずっ、と膣壁を掻き分ける音が全身に伝ってくる。
暫くすると痛みにも慣れてきた。愛液は分泌され続け、滑りが良くなったことで腰の動きが少し早まる。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
ドクターと繋がっている。ずっと欲しかった肉棒が自分の躰の中に入っている。それが嬉しくて、なんだか涙が溢れてくる。
「あっ、あんっ!あ、あ、あ」
足をドクターの躰に強く絡め、目を薄らと開ける余裕も出てきた。肉棒を奥へ突き立てられると、一層大きな声が出てしまう。
ドクターは下半身に集まる熱に耐えながら、何度も肉棒でラナの中を擦り続ける。
「ドクター、くんっ、きもち、いいっ……」
「ラナ、もう……」
そう言ってドクターは、腰を激しくラナに打ち付けた。びくっと震える白い肢体に構う事なく、何度も強く、ラナに欲望をぶつける。
「はぁッ!はぁッ!あッ!あ゛ッ!ドクター、くんッ!好き、好きッ!」
「ラナ、俺もっ、好きだよ!」
ぐちゅぐちゅと音を立てながら、肉棒がラナの躰の中を擦っていく。
一番奥に肉棒を押し付けられ、ドクターの欲を躰中に注がれる。
「ああ゛っ……!あ、ああぁッ……」
「くっ……」
きゅうきゅうっと肉棒を締め付ける壺の中。
どくどくと強く脈打ちながら躰の中を汚す肉棒。
二人は同時に絶頂を迎え、長い事そのまま快感を味わった。