仮眠室で秘書と秘め事

「ドクターくん」
 扉を二回ノックし、執務室の扉を開ける。抱えた書類を落とさないよう慎重に開けたつもりだが、少しだけ腕から溢れそうになる。書類を持ち直して、見渡しながら部屋に入る。
 執務室には、二人がけのソファが二つ向かい合っており、その間にはコーヒーテーブルが置かれている。どちらも艶があり重厚感がある。壁ぎわには書類が並べられた開き戸付きの棚があり、絵画も飾られている。油絵具で描かれているのは、立葵のようだった。しゃんと立った茎に大きな葉っぱ、ピンク色の大きな花が描かれている。薬草としても使っており、療養庭園でも少数だが栽培されている。ドクターはその手の話には疎いようで、説明をしてもピンときていないようだった。そんなドクターが面白くて、この絵画を見る度に思い出してしまう。
 ソファの奥には、ドクターが書類仕事をする為のデスクが置かれている。こちらも重厚感がある筈だが、ブックスタンドにもたれ掛かったノート、崩れないよう調節して重ねられた複数のファイルに、カラフルな付箋が挟まれた白い紙の山、黒いモニターにはいくつものメモ書きが貼られており、その重厚感は微塵も感じられない。
 しかも、本来いる筈のこの部屋の主人あるじは椅子におらず、少しだけ倒された背もたれから「寝てくる」という意図を感じ取れた。
 ラナは書類をデスクの上に置くと、隣の部屋の扉をそっと開けた。
 狭い部屋に置かれた簡素なベッドの上で、ブランケットをかけず、黒いコートを着たまま、小窓から差し込む日差しに眉をしかめながら、ドクターは眠っている。
 小窓のブラインドを落とし部屋を暗くすると、眉間の皺が取れた。これでゆっくりと眠れるだろう。何かポプリでも部屋に置こうか考え、ゆっくりと部屋から出ていこうとした時、後ろから覇気のない声で呼び止められた。
「ラナ……」
「おはよう、ドクターくん。起こしちゃった?」
 ううん、と首を振り、ラナに来て欲しいと両腕を伸ばす。こんな風に甘えてくれるのが嬉しい。ベッドへ腰掛け、ドクターの手を握る。
「どれくらい寝てたの?」
「……んー、三十分くらい……」
 デジタル時計は13:48を表示している。昼食を食べて眠くなってしまったのか。
 サイドテーブルに置かれたカラフェからグラスへ水を注ぎ、ドクターに飲むよう促す。渋々上体を起こしたドクターは水を一気に飲み干し、ラナに礼を言った。
「新しい履歴書と、来週行われるの作戦概要の書類と、あと細かな確認事項の書類、デスクに置いておいたから」
「書類ばっかり……。全部データでくれれば良いのに……」
 新しく増えた仕事にうんざりしたようで、再びベッドに身体を預ける。どうやら書類と睨めっこをするのは苦手らしく、あまり捗っていないようだった。期日ギリギリになって二人で手分けして処理にあたるなんて珍しい事ではない。
「データになっても仕事の速度は変わらないと思うけど?さぁ、仕事をしましょう」
 ドクターの腕を引っ張るが、ベッドに張り付いた身体は一向に動く気配がない。
 しかし仕事でなければ動くようで、ドクターの腕はラナの胸へと伸びてきた。ワンピース越しに膨らみを撫でられると、鼓動が高まる。数日前に工房で感じた熱が思い出され、下半身が切なくなる。
 誘惑に負けないよう気を張り、ドクターの手を振りほどく。
「こら。ダメよ、勤務時間なんだから……」
「でもこれじゃ仕事出来ないよ」
 ドクターはラナの手を掴み、自身の下半身を触らせる。指に硬いものが触れ、ラナは小さなため息をついた。確かに、この硬さは仕事どころではないかもしれない。
「これは、ただの……、あ、朝勃ちじゃ……」
「違う、ラナとセックスしたいから勃ったんだ」
 ラナの胸を撫でながら、今から抱き合おうと言ってくる恋人の欲棒を摩る。
 言葉ではいなしているが、ラナもドクターと愛し合いたかったのは事実で、初めて抱き合ってからそんなに経っていないが、躰はずっとドクターを求めていた。

「あぁ、ラナの手、気持ち良い……」
「私も、気持ち良い……」
 二人は薄暗い部屋で唇を重ね、舌を絡める。
 ワンピースの胸元をずらされ、乳房が露になる。唇で先端を啄まれ、思わず声が出てしまい、指に力が入る。濡れた舌が先端を弾く度に、躰がびくんと震えてしまう。
「あっ……、はぁ、んっ」
 ドクターの熱い鼻息が胸にかかり、乳首はすぐに硬くなった。舌が何度も往復し、その度に躰が跳ねてしまう。
 負けじと、ドクターの腰に巻かれたベルトを外す。片手ではスムーズに外せなかったが、ドクターは手を出す事なくラナの胸を舌で愛撫し続ける。ようやくベルトが外れ、スラックスのチャックを下ろす。下着の中へ指を忍ばせ先端に触れると、肉棒が小さく揺れた。濡れていないので、力を込めずに竿を優しく撫でていると、ドクターは自分でスラックスと下着を脱いだ。押さえ付けるものがなくなり、肉棒が伸び伸びと天を仰ぐ。
 ラナの手では収まりきらない男根は、細い指に撫でられ、ぴくぴくと動く。裏筋をさすり、カリ首を撫でる。鈴口に指を当てると、とろりとした体液が指にまとまりついた。
「あ、鍵」
 そういうと、さっきまで微動だにしなかったドクターとは思えない機敏な動きで、パッとベッドから離れ、ガチャリと音を立ててドアの鍵をかけた。そのまま小窓の方へ行き、ブラインドを全て開ける。
「あ、開けなくてもっ……」
「ラナの全部が見たいから」
 そう言いながらあっという間に裸になったドクターが、ラナに覆い被さって口づけをしてきた。そう言われてしまうと、嬉しくて反論も出来ない。
 ラナの耳を撫でながら、乳首をコリコリと弄る。肉棒をワンピースに擦り付けながらキスをして、ドクターは性欲の塊のようだった。
「ドクターくん、えっち……」
「ふふ、ラナのワンピース、汚しちゃった」
 ラナはワンピースと一緒に肉棒を両手で包み、ゆっくりと上下に動かす。ドクターから気持ち良さそうな声が漏れると、嬉しくなる。
「したいことあるんだけど、いい?」
「したいこと?」
 ドクターはラナのワンピースと下着をあっという間に脱がすと、ラナを改めてベッドに横たわらせた。そのままラナの躰を跨いで、胸元に肉棒を置く。
「パイズリ、して」
「イヤだ」とは言えない体勢だったし、ドクターは嬉しそうだし、肉棒もなんだか楽しみにしているように感じる。どうすれば良いのか分からないでいると、胸を寄せられ、先端を舐めるよう言われた。
 言われた通り、先端を舐める。咥えようとしたが、亀頭の半分程しか口に入らなかったので、舌を目一杯濡らして亀頭を舐め回した。その間ドクターはラナの胸を揉み、乳首を摘んだり押し込んだりして、まるで遊んでいるようだった。
「んっ、んあ……、はぁ、んむ……」
 明るく狭い仮眠室で、ドクターに馬乗りにされて感じてしまっている。恥ずかしいのに、乳首を摘まれ、胸を揉まれて気持ちが良い。ペニスを舐めるとドクターが悦んでくれるのが嬉しい。
「ラナって、着痩せするよね。胸がこんなに大きいなんて、みんな気づいてないんじゃない?腰つきも良いし、エロい躰してるよね」
「そ、そんなことないと思うけど」
 というか、着痩せって褒め言葉ではないような気がする。でもこの場合、胸について言われているから、褒められている?
「良いや、気付いてない。気付いてるのは俺だけだし、ラナが勃起ちんぽをおっぱいで挟めるなんて、みんな知らないよ」
「あんっ、やぁ……。もう、えっちなこと、言わないでよ」
 ドクターは熱っぽい視線を向けながら、ラナの乳首を親指で転がしてくる。他人からどんな風に見られているかなど、頭の中から追い出したかったので、ドクターが気持ち良くなれるよう懸命に舌で亀頭を舐めまわした。
 胸の谷間に、どろりとした液体が垂らされる。目線を上にやると、ドクターの口元から唾液が垂らされている。胸と肉棒に唾液が絡まると、ドクターは腰を動かし、ラナの胸を使って肉棒を扱きはじめた。
「んっ、んっ!んぅ!」
 口を開いていると、亀頭がすっぽり口の中へ入る。ドクターが腰を引くと亀頭も口から離れ、再び口の中へ戻ってくる。胸には唾液が垂らされ続け、ぬちぬちといやらしい音を立てている。
 ラナも懸命に唾液を出したが、亀頭にしか絡める事が出来ない。
 ドクターから熱い息づかいが聞こえて来たので、もっと気持ち良くなって欲しくて口と舌で懸命に奉仕を続けた。
「はぁ、はぁ、んむ、んふぅ、んっ、んぅっ」
 やがて腰の動きが止まり、肉棒がラナの口の中へ進んできた。思うように顔を動かせなくて、裏筋を舐めるのも難しかったが、ドクターの顔は熱っぽく、ベッドボードに手を突いて再び腰を振り始めた。
 胸の次は口で。まるで玩具にされているようだったが、ドクターの息づかいを聞いているとそんな事どうでもよくなる。舌に力を込め、裏筋が擦れるように位置を調節する。息をするのは大変だったが、好きな人が気持ち良くなってくれる事が何よりも嬉しい。
「ラナの口の中、凄く気持ち良いよ……。前よりも、舌づかいは上手くなってるし、顔もどんどんエロくなっていってる……」
「んふっ、んう」
 上手くなっていると言われ、嬉しかった。あれから練習などした訳ではないが、ドクターが悦んでくれるなら、どんな事でもしたいと思えた。
 目を瞑って、男根を舌で捉える。根本を舌先で強く押しながら、竿の中ほどまで舐め上げる。何度も何度も強く舐めると、ドクターから気持ち良さそうな声が聞こえてくる。口の中は肉棒でいっぱいで、先端を舐めることが出来なかったが、唇に力を込めると、大きな肉棒がより大きく、硬くなっていった。
「はぁ、ラナ……、イク……。飲んでっ……」
 ドクターの声は余裕がなく、腰使いが激しくなる。
 喉まで差し込まれた肉棒が強く脈打つ。どくんっと肉棒が震えると、勢い良く精液が喉へ流れ込んできた。大きな脈は三度打たれ、その度に濃く粘度が高い白濁が流し込まれる。ラナはそれを一滴残らず飲み干し、尿道の残滓も吸い取って喉を鳴らした。
「はぁ……、はぁ……、えっろ……」
「やめてよ……、エッチなのはドクターくんじゃない」
 サイドテーブルの水を飲み、再びベッドに躰を預ける。
 口づけをしながら互いの秘部を手で撫でる。ドクターの肉棒は疲れ果てており、ぷにぷにとしている。一方ラナは、割れ目から愛液が漏れ出ており、躰の準備は整っていた。
「んむ、はぁ、はぁ……、ドクターくん、気持ち良い……」
「凄い……、ぐちょぐちょだ……。ちんぽ舐めてただけなのに、気持ち良くなっちゃったの?」
「んあっ、胸、触られて、たからぁ……、ああんっ」
 徐々に足が広がっていく。躰はもっと触って欲しいらしい。
「ん……、足、ちゃんと支えててね。気持ち良くしてあげるから」
 甘い声で囁かれ、足を腕で支える。秘部が丸見えになるとドクターも指を動かしやくなったようで、蜜を垂れ流す壺に何度も指が出入りする。
「ふうう、んん゛っ、んううう゛!これ、恥ずかしい……」
「恥ずかしいけど、俺しか見てないから。もっとエッチになって。気持ち良くなろう」
 一本の指が中の壁を擦る度、声が漏れる。気持ち良かったが、物足りない。二本入れて欲しかったが、ドクターは口づけを辞めず、ラナの舌を強く、何度も吸って来る。
「ふぅ、んん、ろくたー、ふん……、んあ……、はぁ、はぁ」
 股間からちゅぷちゅぷと音がする。ラナの尻に愛液が垂れ、シーツを濡らしていく。
 もっと、もっと激しくして欲しい。二本の指で、強くなかを掻き乱して欲しい。Gスポットを何度も擦って、潮を吹きたい。クリトリスの皮を剥かれて、イきたい——
 頭の中がもどかしさでいっぱいになった時、執務室のドアが開いた音がした。
 ラナは躰を強張らせ、声を抑える。
 そうだ、今は皆就業中なのだ。いつ誰がドクターを訪ねてきてもおかしくない——

「あれ……、ドクター?」
 聞き馴染みのある幼い声。よくドクターの事を気にかけ、ドクターの隣に並ぶ少女——
「アーミヤが来ちゃったね」
 ラナの耳元で囁くドクター。
「足、そのままにしててね」
 下そうとした足をそのままにと言われ、混乱しながらも言う通りにする。
 ドクターの指が、入り口のザラザラとした部分を軽く突く。
「——ッ!」
 なんとか声を出さずに耐えたが、ドクターはお構いなしに弱い部分を刺激してくる。ドクターに止めるよう目で訴えかけたが、にこりと笑顔だけ返して、応じてはくれなかった。
「ドクター、お休み中ですか……?」
 控えめなノックのあと、ドアノブがガチャっと動く。鍵で動かなかった扉に一安心したのも束の間、ラナの中に二本目の指が入ってきた。
「アーミヤ?ごめん、寝てた」
 Gスポットを二本の指で強く何度も押され、声が出そうになる。されたかった事をしてくれて嬉しかったが、今は快楽に耐えるので精一杯なのに、声まで我慢しなくてはいけないなんて——
「すみません、起こしてしまいましたか。先程ラナさんに書類を渡しましたが、目は通してくれましたか?」
「いや、まだ。何か問題でもあった?」
 足がガクガクと震え、秘部から水音が立ち始める。それでもドクターは指の動きを休める事なくラナを責め、その間にアーミヤと会話をする。
「えっと、来週に行われる作戦についてですが、ギターノさんも同行したいとの事です」
「ギターノが?なんでまた」
「良くない占い結果が出たそうで……」
「——ッ!——ッッ」
「なるほどなぁ。わかった、ギターノには俺から伝えておくよ」
 ドクターの指はクリトリスにも伸びて来た。皮を剥かれ、ぷっくりとした丸い肉芽を優しく撫でられると、全身に強い電流が流れたようだった。足を閉じたかったが、「そのままで」という言葉が脳内で反芻される。
 愛液をたっぷりと掬われ、それを肉芽に塗られていく。ぬるぬるとした指が動く度に、下半身にビリビリと強い快感が走る。足に力が入るような、入らないような、不思議な感覚。わかるのは、今まで触った中で一番気持ちが良いということだけ。
「あ、あの、もし良ければ、これからお茶でもどうですか?」
 少し照れた声で、アーミヤはドクターを誘う。事あるごとにドクターを誘うので、ラナは少し嫉妬をしたりもしたのだが——
 ぐちゅぐちゅと立つ音が、アーミヤに聞こえていないか不安になったが、そんな事を考える余裕もなくなってきた。
 徐々に視界が明滅し始める。下腹部が震え、快楽の波がラナを襲った。
「ごめん、少し頭が痛くてね。もう少し寝かせてもらうよ」
「——っ、————ッッ」
 耐えられず、盛大に潮を吹いて絶頂を迎えた。足が痙攣し、蜜壺はドクターの指を離さない。クリトリスは赤みを増しててらてらと艶めいている。
 ドクターはそんなラナを見て微笑み、一度は止めた指の動きを再開した。
「——くッッッ」
「……あれ、誰かいるんですか?」
「いや?俺一人だけど」
「そう、ですか?あ、頭痛薬はお持ちですか?医務室から持ってきますよ」
「——っ、————!」
「いや、この間ラナからもらった薬を飲んだから、大丈夫。ありがとう、アーミヤ」
 アーミヤは少し残念そうに「お大事に」と扉ごしにドクターを労ると、そっと執務室から出て行った。それを見計らって、ドクターはラナに口づけをする。声を我慢しながら絶頂をし、ずっと責め続けられながら、それでも声を押し殺し続けたラナを褒めてくれた。
「良い子だね、イっちゃったけど、声は最後まで我慢して。あ、まだアーミヤが執務室にいるかもしれないね……。まだ声は出しちゃダメだよ」
 耳元で囁かれ、脳がとろとろに溶けていく感覚になる。
 ぐちゅぐちゅと激しい水音は止まない。ラナはずっと潮を吹きっぱなしで、絶頂も止まらなかった。それでも懸命に声を押し殺す。
「ほら、キスしよ、舌出して」
 舌を伸ばすと、ドクターの指の動きが緩まった。それでも耐えないと声が出るくらい気持ち良かったが、まだ我慢した方がいいと言われて、素直にいう事を聞く。唇は付かず、舌先だけが絡まり合う。ドクターから唾液が垂らされ、生暖かいものを懸命に味わう。
「ふっ、ふぅっ」
「やらしいよ、ラナ……」
 そう言うと、指の動きが激しくなった。Gスポットをゴリゴリと押され、潮が勢いよく飛び出した。決壊した下半身と同じく、ラナの声も栓が外れてしまった。
「や゛あ゛あ゛あぁぁ‼︎いくうぅぅ‼︎指だめええッ、もうむりいいい゛い゛‼︎」
 躰を大きくのけ反らせ、腰を突き出しながらドクターの指を締め付ける。ドクターは指を勢いよく引き抜くと、尿道から綺麗な弧を描く潮が噴出された。
「お゛お゛お゛ッ……ふう゛ッ」
 部屋は淫猥な匂いで溢れ、ラナは淫らな格好で気をやっている。
「ちょっとドキドキしたね」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ——」
 ドキドキしたなんてものではない。もし鍵を開けられたら、もし声が出てしまったら、もしアーミヤが気付いてしまったら——
 そしてそれで、感じてしまった——

 ぐったりとしているラナの腰が持ち上がり、勢いを取り戻したドクターが侵入してくる。
「あっ、まって……、まだ、イって——」
 二度目の挿入は簡単に奥まで届いた。解れ切っているし、初めて抱き合った日と比べ物にならないくらい愛液で溢れている。それでもまだお腹の中がいっぱいになる感覚が強く、ぎゅっと目を瞑ってしまう。
「痛い?抜こうか」
「あう、ダメ、抜かないで……。痛くない……、きもち、良いの……」
 ずっと疼いていたお腹の奥に肉棒が当たっているので、それだけで十分気持ち良かった。ドクターはゆっくりと腰を動かし、ラナの中を擦り上げる。先程の指の動きとは打って変わって、躰を気づかった動きだ。あんな激しい責めをされた後では、物足りない。
「ドクターくんの、好きに、んっ、動いて……」
「はは、これじゃ物足りない?」
 ラナは素直にこくこくと頷き、「さっきの、指、凄く気持ち良かった……。アーミヤちゃんに、聞かれちゃダメって思うと、もっと気持ち良くなってしまって……」と、さっき感じていた事をドクターに伝えた。そう、気持ち良かったのだ。
 ふと、下腹部に入っているものが大きくなったのを感じた。
「ごめん、中が気持ち良くて……」
「あ、……ふふっ、うん、私も気持ち良い……。ね、さっきみたいに、激しくして……」
 キシキシと、ベッドが小刻みに音を鳴らす。
「あんな、激しくされたら、んんっ!躰が、おかしくなっちゃう……」
「じゃあいっぱいおかしくなろうか」
 そう言うと、ドクターはラナの腰を強く掴み、肉棒を奥へ強く打ち付けてきた。ベッドが大きく軋み、甘く淫らなら声が執務室まで漏れる。
「ああ!ああっ、すごい、ドクターくん、はげしっッ!ああッ、ああッ、あ、あッ!」
 大きく揺れる胸を隠しもせず、シーツを強く握りながら肉棒を強く締め付ける。快楽に満ちた声を我慢せずに、ドクターの腰の動きに合わせてなかを締め付けたり緩めたりする。
「あっ、あっ、あっ!おく、好き!突いて、もっとして——!好き、ドクターくん、好きぃ……っ」
「俺も好きだよ、ラナ」
 口づけをしながら腰を打ちつけられる。何度も何度も肉壁を擦り、肉棒が扱かれ、二人は奥深くで愛を伝え合う。
 ドクターはラナの足を両肩に乗せ、覆い被さって来た。より深く肉棒が挿入されるのが分かる。そのまま強く、早く何度も腰を打ち付けられ、その度に声が出てしまう。
「あ゛ッ、あ゛ッ、あ゛ッ、これ、奥までッ……」
 ドクターの顔が近い。好きな人の顔が快楽に染まっているのをみて、嬉しくなる。私だけではない、ドクターも気持ち良いんだと思うと、幸せを感じられる。
 肉棒が深く刺さるたび、秘部から蜜が溢れ出てくる。蜜はドクターの陰毛を濡らし、陰嚢に絡みつく。ラナのアナルも蜜でとろとろになり、尻尾をも濡らしている。
 パンパンパンと腰と腰がぶつかる音、ぶちゅ、ぶちゅ、ぶちゅと愛液が溢れ出る音、ギシギシとベッドが軋み、そこにドクターの息づかいと、ラナの喘ぎ声が合わさる。部屋の音は執務室にも響いていたが、二人はそんな事を気にする事なく、互いを求め続けた。
「あはっ、はぁっ!どくたー、くん、もう、私ッ……」
「俺も、もう……、イっていい?」
「うん、イって!中にちょうだい、ドクターくんの精液、ちょうだい!」
 ドクターはラナの躰から離れ、肩に乗った両足を腕で支えると、先程とは比べ物にならない強さでラナを責め立てた。予想外の強さで疲れ、躰がビクビクと震える。
「ん゛う゛ッ————」
 突かれた膣の一番奥に、ドクターの熱が吐き出される。ドクターは腰をこれでもかとラナに押し付け、絶頂を迎えている。ラナも目の前が真っ白になりながらも、注がれる感覚と肉棒の脈を下半身で最後まで受け止めた。