バニラと浮気、ドクターと3P

 とあるオペレーターから頼まれていたアロマの試作品が、ようやく完成した。ドクターに嗅いでもらったものを微調整し、依頼主にも嗅いでもらったり、話し合いを重ねて来た。依頼主はキャンドルの方が好みとの事で、蝋をピンク色に染め、手のひらサイズの耐熱容器に注ぐ。可愛い容器なら依頼主も喜びそうだが、生憎シンプルなものしかない。

 媚薬ローションの時と同じように、まずは自分で試してみる。
 読書をしながら焚くか、それとも寝る前のリラックスタイムに焚くか迷ったが、目的は夜の営み中に使う事だ。ならば、とラナは意気揚々と自慰の準備を始めた。

 間接照明だけをつけ、キャンドルに火をつける。オレンジ色に照らされた薄暗い部屋に、ゆらゆらと小さな火が揺れる。蝋が溶け出し、徐々にバニラの甘い香りが広がってきた。
 媚薬ローションを取り出し、ベッドサイドの床に吸盤付きのディルドを固定する。
 ローションを胸から腹へ、太ももへと垂らす。ディルドにもたっぷりとつけてから、割れ目にあてがう。いきなり挿入するような事はせず、ぷにぷにとした秘部でディルドの形を感じとる。腰を上下に、左右へ振り、割れ目の中へ侵入して来そうになったら腰を離す。片手で胸を揉み、乳首を弾く。ローションが触れた部分が徐々に熱くなり、自然と声が漏れる。
「あ……、ん、ん……。ドクターくん……」
 ベッドに顔をうずめながら、敏感な突起をじっくり愛撫する。頭の中で、ドクターの上でペニスを弄ぶように腰を振り、乳首を弄る。ドクターは腰を優しく支えてくれながら、ラナの行為を見守ってくれる。
 硬い竿がクリトリスを擦り出すと、少しだけ腰の力を前の方に込め、強い刺激になるよう調整する。既に割れ目は玩具を受け入れる準備が出来ており、中から透明な粘液が垂れ始めている。
「はぁ、ああ……、ドクターくんの、おちんぽ、入れたい……」
 顔をベッドに押し付けるだけで躰を支え、両手で乳首を弾き続ける。先端からの刺激で腰が跳ねると、秘部からディルドへ数本の糸が引く。再びディルドを当てがい、穴の側で腰を振ると、先端が少しだけ入った。
「ああ、入っちゃう、おちんぽ、入っちゃう……。ドクターくん、んんっ」
 先端を出したり入れたりしながら、小刻みに下半身を振り続ける。ちゅぷ、ぬぷ、と先端が入る度にいやらしい音が部屋に響き続け、しばらく愉しんだのちに少しだけ腰を深く落とし、先端部分をすっぽりと飲み込む。
「ふぅぅ、先っぽ、入ったぁ……。あ、あ、まだ、奥はダメ……」
 ぬちゅ、ぬちゅ、と粘液が擦れる音と、甘美な声、熱くなる肉芽と乳首、甘い香りが、ラナを深い快楽の泉へと誘う。入り口を擦り続け、己の身体を焦らし続ける事に夢中になり、腕は肉芽へと伸びていく。乳首を摘みながら、陰核を指の腹で転がし続ける。
 強い刺激で果てそうになる度に指を離し、膣口へ意識をやる。落ち着いたら再び陰核を擦り、絶頂の手前で指を離す。
 先程から足はガクガクと震え、躰もいつでも果てる事が出来る状態になっている。目の前のドクターも、早く肉棒を挿入したいと言っている。

 ◆ ◆ ◆

 扉の前でバニラは頭を撫で、髪の流れを整えた。手に持った紙袋の中身を確認し、パフューマーの部屋のチャイムを鳴らした。
 しばらく経っても、扉は開かない。もう一度鳴らしてみたが結果は変わらずだ。
 任務があるとは聞いていないし、この時間なら秘書の仕事も終わっていると思い来たのだが、寝ているのだろうか。しかし、扉の向こうからは人がいる気配がする。チャイムが故障しているのかと思い、扉を叩いてみたが、それでも扉は開く事はない。
 また明日にしようと背を向けようとした時、扉の向こうからくぐもった悲鳴のようなものが聞こえた。明らかにパフューマーの声だ。
「パフューマーさん⁈」
 勢いよくドアノブを回すと、すんなりと開いた。同時に甘ったるい香りと、揺れるキャンドル、整理整頓が行き届いた綺麗な部屋と、ベッドのそばで裸になり、床に座り込んで漏らしているパフューマーの姿が目に入った。
 パフューマーの腰はブルブルと震え、痙攣しているようだった。明らかに見てはいけないものを見たが、その果て方が心配になる姿で、思わず部屋の中へ入った。
「だ、大丈夫ですか⁈」
 パフューマーの顔を覗き込むと、目は虚ろで、笑っている口からは犬のように舌が伸び、「へ……、あへ……♡ドクター、くん……♡」と、絶頂を味わっていた。
「パ、パフューマーさん……?」
 声を掛けても、パフューマーは目の前にいるバニラの事を見ようとしない。ずっとドクターの事を呼び続けている。
 パフューマーがドクターをおかずにしている事に驚いたが、思い返してみればドクターを見る目は慈愛に満ちていた。優しく見守っていると思っていたが、なるほど、好意を寄せていたのか。

 鍵をかけ、呆然としているパフューマーの横に座る。いつも綺麗で清楚だと思っていた人が、目の前で躰を震わせている事に好奇心が抑えられなかった。
 ローションか何かで濡れている乳首を摘み、くりくりと捏ね回してみる。パフューマーは悶えながらも、手を振り払おうとしなかったので、そのまま捏ね続ける。
「あ♡あひっ♡ドクターくん、ダメ、それだめ♡」
「バニラなんですけど……」
 苦笑しながら乳首を捏ね続けていると、パフューマーの腰が動き出した。そこには男性器に模したシリコン製の棒があり、パフューマーの女の部分に咥えられている。なるほど、これを使って果てたのか。
 パフューマーの躰を自分の方へ寄せ、ディルドを引き抜かせる。甘い悲鳴と共に出てきたそれは、玩具ならではの長さをしている。
「うわぁ……、割とエグいのを入れてたんですね」
 パフューマーの頭を撫でながら、白く濁った液体に濡れた玩具の棒をまじまじとみる。さすがに、ドクターのサイズという事はないだろう。
「ドクターくん……、んむ……」
 パフューマーは蕩けたまま、バニラの唇を奪ってきた。不意に重ねられた唇は柔らかく、しっとりと濡れていて、甘い味がした。舌まで入って来た事に驚いたが、バニラも舌を絡ませる。唾液を含み、口が乾かないようにしつつ、パフューマーの舌を吸ったり擦ったりし、パフューマーが悦びそうな部分を探っていく。
 ツヨシくんの性器を舐めてきた成果が、こんな所で発揮されるとは思わなかった。小型ハガネガニの肉棒を思い出しながら、パフューマーの舌を舐め続ける。
 パフューマーは気持ちが良いのか、喘ぎながらバニラの舌の動きに身を任せているし、ヘタではないようだ。
「パフューマーさん、気持ち良いですか?」
 膨よかな乳房を揉みながら、虚ろなままのパフューマーの舌を吸う。
「んふうう……、やあ……、ラナ、ラナって、呼んでぇ……、ふうん♡」
「んん、じゃあ、ラナさん。して欲しい事ありますか?」
 バニラに躰を預けながら、ラナは少し考えたのち、「クンニ、してえ♡」と甘えた声でおねだりをした。

 ラナをベッドに横たわらせ、両足の真ん中の割れ目に目をやる。解れた花びらと、その奥には小さな入り口がある。粘液でとろとろになった花は、飛び込んでくる蟲を待っている食虫植物のようだ。
 指を入れ、Gスポットのあたりを探ってみる。ザラザラした膨らみを撫でると、ぴゅっぴゅっと水が出てくる。
「ううん……、ドクターくん……」
 バニラの事をドクターを勘違いしているようで、ひたすらドクターの事を呼び続ける。なんだか、昔の彼氏の事を忘れられない彼女とセックスをしているようだ。
 妙な嫉妬心を覚えながら、バニラは初めて女性の淫部を舌でなぞる。自分のものとは違う味、柔らかな肉と、硬い芽。自分がされたら気持ち良いと思うような舌の動きで、ラナの様子を伺う。
「ひう♡あ、あ、うまい♡きもち♡そこ、あ、あっ、あっ」
 クリトリスを舌で弾きながら、Gスポットを擦り続ける。クリトリスはどんどん大きくなるし、膣内はきゅうきゅうと締め付けてくる。
 舌で強く弾くと、腰が跳ねた。吸うと、気持ち良さそうに腰を持ち上げてくる。徐々にラナの躰を把握していき、舌でラナを弄ぶ。
 舌を一定の動きにし、肉芽の先端で舌先を往復させる。膣内が締め付けられると、今度は肉芽を吸い上げる。弱く吸い、徐々に強めていく。ラナは身を捩るが、足を広げもっと吸ってと腰を顔に押し付けてくる。吸う強さを急に強め、Gスポットを触る指を激しく動かすと、簡単に潮を吹く。潮吹きが終わると、また舌先で肉芽を弾く。
 繰り返す事三度。ラナはぐったりしつつも、満足そうに笑っている。
 ラナの体液で汚れた口を、ラナの唇へ重ねる。ラナは幸せそうにバニラの口の中を舐めまわし、自分の体液を味わっているようだった。
 バニラは服を脱ぎ捨て、ラナの顔の上に跨る。自分の事をドクターだと勘違いしているラナには申し訳ないが、女の部分を舐めてほしくなった。
「ラナさん、私のクリトリスも、舐めてください」
 肉芽を口に当てがい、舌で転がされるのを待つ。
 ラナは一瞬困惑したようだが、舐めるべきものを見つけると、ふぅふぅいいながら舌で刺激を始めた。ベロべろと舐められ、触手とは違う舌の感覚に、腰が砕けそうになる。
「んっ!ああ、すご……、舌って、ざらざらしてて、あったかくて……、ひんっ!触手より、気持ち良い……。ラナさん、凄く上手です。女の子のおちんちんを、舐めるの♡んんん♡うま、い……♡」
 ラナと見つめ合いながら、肉芽を舐めてもらう。腰を軽く振ると、より強い刺激が全身を駆け巡る。躰をふるわせ、声を殺して絶頂を迎える。ラナはそれでも舌の動きを止めず、バニラを徹底的に蕩けさせてくる。
「うああ!ラナさん、イってます♡んんん♡」
 腰を震わせながら、股間をラナの顔に押し付ける。ラナはバニラの壺の入り口を見つけると、蜜を掻き分けながら舌を捻じ込んできた。初めて入る舌に、もどかしさを覚えるが、触手とは違う熱いものが膣に入ってきて、思わず愉しんでしまう。
 ラナの舌の動きを満足するまで堪能すると、ラナの顔もベトベトになっていた。バニラはラナの顔を舐め、唇を重ね、一緒に自分のものを味わった。

「うーん、こんな事になるなんて、思ってなかったなあ……」
 バニラは紙袋の中を漁り、持ってきたものをラナに見せる。
「じゃーん。Gスポットを刺激してくれるバイブです。触手で愉しんだみたいだし、えっちなグッズなら、悦んでくれるかなぁと思ったんですけど……必要なかったかなぁ」
 床に転がる長く太いディルドを拾い、二つの玩具を洗面所で洗う。
「そうだ、これ、両方入れちゃいましょうか」
 ベッドの側にあった、ラナが使っていたであろうローションを手に取る。まずはバニラが持ってきたバイブにローションを垂らす。皿のような部分から、丸みを帯びた棒が伸びている。ラナの膣口にあてがうと、すぽっと、すんなり入った。
「あんっ、あ、ああ……」
「あは、あっという間に入っちゃいましたね。これ、クリも刺激してくれるんですよ。こうしておまんこにピッタリくっつけて……。遠隔操作できるから、外でも楽しめますよ」
 笑顔でスイッチを入れる。
「んおっ!おおおお、おお♡♡」  皿部分が股間に張り付いていて、まるでテープを貼られているように見える。その奥で女の弱い部分を、二か所、同時に責められる。胸を大きく上下させ、枕を力強く握り、ラナは激しく喘いでいる。
「おほっ!ふうううん!ドクターくん♡ドクターくん♡すごい、すごいいい」
「うわぁ……、これそんなに気持ち良いんですか?使った事ないんですよね、私。振動は何パターンかあるので、いっぱい愉しんでください」
「んおおおおお♡いく、いく♡おまんこ、いくうう♡」
 バニラはスイッチを止め、ラナが果てるのを阻止する。絶頂の寸前で刺激が止まったラナは、息を整えながら腰を懸命に振っている。
「まだダメですよ。ラナさんが使ってたおちんちんも、入れなくちゃ」
 ディルドにローションを垂らし、ひくついているアナルに当てがう。そのまま奥へおくへと差し込み、全てをラナの躰の中へ入れる。
 「このサイズを丸呑み出来るって、慣らされてますね。マルコはアナルが大好きなんです。きっと犯されましたよね。射精はされたかな?」
 ズコズコとディルドを出し入れする。アナルをピストンされ、ラナは訳がわからなくなっているようだった。膣にはドクターのちんぽが入っているのに、尻にもペニスが入れられていると思っているようだ。
「ふあ、ああっ、んん⁈あー♡ドクターくんの、おちんぽ、きもち♡」
「なるほど、両方ドクターのものだと判断しましたか」
 バニラは尻をラナの方へ向け、尻尾を咥えさせた。熱い口の中で尻尾をうねらせ、ディルドを抜き差しする。バイブのスイッチも入れ、ラナがどんな反応をするのか観察をした。
「三本のちんぽですよ、ラナさん」
「んぶっ!むうう‼︎ふぅっ、ふぅ‼︎んんんん♡♡んおお‼︎」
 尻尾に舌がまとわりつく。自分で舐めるのとは違う感覚に蕩けながら、指で自分の穴を慰める。ディルドもゆっくりと動かしていくと、バイブの刺激に耐えられなかったラナは躰をビクビクと痙攣させた。噴射された潮が太ももや腹に飛び散る。
「はぁ……、凄いですね。ラナさんって、こんな風にイくんですね」
 腹に飛び散った潮をべろりと舐め、ディルドとバイブを乱暴に引き抜く。
 ラナの躰の上に乗り、股間同士を合わせる。
「これ、何て言うんでしたっけ。貝合わせ?ちょっと興味あったんですよね……。女の子のおちんちんと、びらびらがぴったりくっつくのって、エッチですよね」
 ぬるぬるに濡れ、硬くなったお互いの肉芽を擦り合わせる。舐められているのとも、指で擦られているのとも違う。体重をかける具合で、刺激も変わってくる。
 ぬちゅぬちゅと愛液が擦れ、二人から切ない声が漏れる。
「あ♡あ♡ドクター、くん♡クリ、気持ち良い♡これ、好き♡」
「はあっ、ああ、これ、凄い、ですね♡」
 バニラは自分が気持ち良くなる為に、腰を押し付け激しく動く。
 ラナは仰け反りながら悦び、絶え間なく潮を吹き続ける。
「ラナさん、イくの早すぎません?もう少しっ、我慢して、くださいよっ。もう、おまんこの滑りが、良すぎて、これ♡わたしも、イっちゃいます♡」
「ああー♡いくう♡いぐううう♡」
「何度もイってるじゃないですか!淫乱ですね!もう、私もイきますよ♡」
 ラナとキスをしながら、激しく腰を振る。割れ目から流れ出る愛液は、どちらのものか判断がつかないくらい混ざり合っている。肉芽が擦れ、ズレる。そのまま腰を押し付けながら擦りつづけ、また肉芽同士を擦り合わせる。
 勃起した肉芽から激しい電流が幾度となく全身を巡り、バニラもラナも、声を我慢せず、思うままに絶頂を迎えた。



 ラナは自分の愚かさ、流されやすさ、優柔不断さを、今まさに呪った。

 ◆ ◆ ◆

 数日前、ラナはバニラと共に朝を迎えた。お互い生まれたままの姿で、シーツはべっとりと汚れていたし、お互いの股間も何かが乾いたような汚れがあった。
 その日は、ドクターとセックスをしていたはずなのに。騎乗位をして、クンニとフェラ、正常位をして、一緒にアナルも……。一緒に、アナルも?
 そこでようやく、ドクターは部屋におらず、自慰をしていた事を思い出した。すっかり、ドクターとセックスしている気になっていた。
 バニラも「ずっとドクターって呼ばれるから、変な感じでした」と言っていたし、ローションの媚薬とアロマの香りが反応しあって、幻覚を覚えたのかもしれない。
 あれから、ドアや窓に鍵が掛かっているか確認してから、自慰をする事にした。ローションとアロマは同時に使わないと決めた。
 そしてそれは、未だ守られていない。というか、実践する日がないのだ。
 翌日、バニラは甘いお酒を持って詫びに来た。一緒に飲もうと言われ、断る事も出来ず、お酒を楽しんだ。ドクターと付き合っている事、誰が誰を好きとか、あの二人はお似合いなのにとか、気持ち良かった玩具の話、どこが一番感じるとか、好きな体位、ムシの事など、気付けばエッチな話に花を咲かせていた。
 そしてお互いとろんとした目で、話し合った気持ちのいい部分を刺激し合った。
 バニラの綺麗な顔立ち、長い指、可愛らしい声。大きな胸、色素の薄い乳首に、感度の良い陰核。柔らかですぐに降りてくる子宮。バニラは触手に責められ慣れているのか、子宮に指を入れても痛がる素振りを見せず、ひたすら気持ち良さそうな声を上げ続けていた。
 お返しと言わんばかりに、ラナの子宮も弄ばれた。膣がバニラの指を全て受け入れ、指で子宮を転がされ、何度もイかされた。

 もうバニラとはエッチをしません!と宣言し、夜中に部屋から追い出したのだが、翌日もバニラが部屋に来て、今度は無理矢理犯された。無理矢理と言っても、ラナはあまり抵抗をしなかった。ドクターと違い、バニラはして欲しい事をしてくれるし、部屋を訪ねてくれる。バニラとのシックスナインはとても気持ちが良い。バニラも悦んでくれるし、女性器を舐めるのが新鮮で、愉しかった。キスをしながら、乳首同士を擦り合わせる。陰核同士を擦り合わせたり、足を交差させて割れ目を擦り合わせるのも背徳感があった。
「配達員って凄いですよね!」
 次の日もバニラはやってきた。興奮しながらラナの部屋でダンボールを開け、反り曲がった長い棒をラナに見せた。両端は亀頭の形をしている。透明で柔らかめの素材で出来たそれを、急いで取り寄せたという。
 二人で先端を舐め、愛撫もそこそこに挿入した。二人でペニスを味わっているようで、夢中になって腰を振り続けた。ラナが上になってバニラを犯す事もあったが、バニラに犯される事が好きだった。バニラも虐める方が興奮するようで、唇同士、性器同士を何度も重ね、体液を交換しあった。

 今日の昼間、療養庭園でドクターと久しぶりにセックスをした時、自分が浮気をしている事に気付いた。クリトリスを舐める舌の動きで、バニラなら、と考えてしまった。
 申し訳ない、怒られる、嫌われてしまう、ドクターの事を裏切った——
 それで絶頂に達した自分が本当に嫌になる。その後の仕事を早々に切り上げ、ラナはバニラの部屋へ向かった。
 やっぱり、バニラとの関係は断ろう。ラナの為にと玩具も買っていたが、買い取ろう。
 バニラの部屋をノックすると、可愛らしい声が中から聞こえてきた。

 ◆ ◆ ◆

「まぁ、ラナさんが嫌だって言うなら、仕方ありません」
 バニラはすんなりと、ラナの言い分を受け入れてくれた。だが、その声はあまり残念そうではない。表情はわからない。目隠しをされているから。
「でも、それが本心か、ちゃんと聞かないといけません。もう、私とエッチするの、嫌ですか?」
「んん゛う゛ぅぅ‼︎んぐうううう‼︎」
 バニラはラナの乳首を摘み、上へ上へと持ち上げる。乳房は伸び、限界まで引っ張られると指を離される。

 潤んだ瞳で「今日が、最後でいいので」と言われたラナは、渋々バニラの前で服を脱いだ。優しくキスをされ、胸を舐められ、激しく膣内を指で掻き回された。バニラの激しい責めを受け、躰は簡単に果てた。二度目の絶頂後、バニラは慣れた手つきで力が入らないラナの手足の自由を奪った。足は開かれ、腕と共にロープで縛られる。ギャグボールを捩じ込まれ、目隠しまでされた。
「トゲオ」と、バニラはオリジムシを呼ぶ。ラナの開かれた秘部に、ぬるりと、久しぶりの感触が走り、触手が膣の中を撫で回してきた。どういう躾なのか、あの時と違い、奥まで入ってこない。入り口の方をゆっくり擦るだけだった。

「ううぅぅ‼︎んんんん♡」
「気持ち良さそうですね。トゲオはしっかりした子なので、言う事を聞いてくれるんです。今はGスポットのあたりを、優しく撫で続けてる筈です。たまーに強く当たるのが、気持ち良いんですよね。激しくしないから、全然イけないし♡」
 楽しそうな声でトゲオの説明をされても、ラナには届かない。
 イきたいのに、全くイけない。もう少しなのに、イけない。乳首を引っ張られてイけるかと思ったが、寸前でイけなかった。子宮が疼いているのに、触手は奥へやってくる様子もない。クリトリスも弄ってくれない。数日前の触手とは違う動きに、ラナは悶え、絶頂を迎えたくて腰を動かそうとする。
「ふふふ、イけなくて辛いですよね。ラナさんはすぐイっちゃう早漏ヴァルポですから、辛いと思います。でも今日が最後のセックスなので、いっぱい愉しませてください」
 柔らかい乳房を優しく撫でながら、口元から垂れる唾液を舐めとる。バニラは笑顔でラナの耳元で「かわいい」「ラナさんの躰、きれいですね」「イきたいですか?まだダメです♡」と囁き続けた。

 どれくらい経ったのだろう。触手がラナの躰から離れる。視界も開けたが、部屋は薄暗い。デジタル時計は十七時を表示している。
 果てたのではないか、と思える下半身の震えと、潤む瞳。喋ることが出来ないラナは、必死に目で訴えかけた。
 イかせて。イかせて——乳首でもいい、下腹部を押さえ付けてもいい、アナルに指を入れてもいい——何か強い刺激がほしい、そうすればイけるから、お願い——
 バニラは必死に訴えかける瞳を察したのか、性感帯には一切触れて来ない。
 頭を優しく撫で、頬をさする。ラナの涙を拭い、肩に触れ、胸の下を撫でる。太ももの外側に指を這わし、また耳元で「イきたいですか?」と、ぽつりと囁いた。
「うう、うう゛♡」
 必死に頭を縦に振る。なんでもするから、なんでもするから——
 バニラはラナのふさふさの耳を撫で、先端を摘む。耳の中に指を入れて、中をくすぐる。
「じゃあ、これからも私と浮気セックスしましょう。そうしたら、思いっきりイかせてあげますよ」
 ——それは、ダメ、だ。
 もう既に裏切っているが、これ以上ドクターを裏切ることは出来ない。
 首を横に振り、再び目に涙が溢れる。
「じゃあ、イけないままですね。もし関係を続けてくれるなら……、ほら、クリトリスで思いっきりイかせてあげますよ」
 指をクリトリスの上でくるくると回す。
 触れて欲しくて、腰を動かすが、もうちょっとのところで指は逃げる。 「それとも、中イキの方がいいですか?」
 指が秘部に微かに触れると、それだけで気持ち良くて、ラナの息が荒くなる。
「指でGスポットをいっぱい押してあげます。その後、子宮もいっぱい揉んであげます。双頭ディルドで思いっきりポルチオを突いて、そうだなぁ、最後は触手にしましょうか。おまんこを合わせて、触手を何本も入れましょう。クリトリスを擦って、なかは触手に犯されて、子宮の中にいっぱい射精してもらいましょう。オリジムシと小型ハガネムシはどちらが好きですか?勢いはそこそこだけど、粘度が強くて量がいっぱいのオリジムシと、射精の勢いが強くて長い小型ハガネムシ。どっちも好きなら、両方でもいいですよ。子宮をこじ開けて、いっぱい射精してもらいましょう」
 優しい声が脳に響き渡る。ムシたちに陵辱された事を思い出しながら、膣内を犯される自分を想像する。子宮の疼きが止まらないところに、あの異物が入ってくる。バニラとのセックスは気持ちが良いのに、更にムシたちの射精で、イける、なんて。
「どうですか、これからもそうやって、ラナさんの事をたくさん気持ち良くさせてあげられますよ。意地を張らないで、素直になりましょう」

 素直に、すなおに、いきたいから、バニラとの躰の関係を、つづけると
 そう言えば、この辛さから解放される

 クリトリスを、触ってもらえる
 膣内を、突いてもらえる

「うう゛、うう゛うっ、うぅ……」
 口枷が外れ、唾液が伸びる。バニラはそれを舐めながら、ラナが声を発するのを待つ。
「はぁ……、はぁ……、あ、……っ」
 バニラは腕と脚を縛るロープも解く。擦れた跡が痛々しいが、拘束が全て解けたラナは、果てたいという一心だった。
 揺れる自分の胸と、足の間に生える肉芽を見る。そしてその奥、割れ目から手前の気持ちが良い部分と、奥の部屋の入り口に意識をやる。

 ラナの手は自身の秘部ではなく、バニラに伸びる。そして、心の中でドクターに謝った。

 ◆ ◆ ◆

 ベッドの上で、ラナは脚を思いきり広げる。ベッドサイドに置かれたテーブルに間接照明が置かれ、その光でアナルに垂れる愛液がきらっと輝く。バニラはその様子を、ベッドの足元から、三脚に取り付けた携帯端末で撮影しはじめた。位置を確認してから録画ボタンを押し、ラナの隣へ座る。
「今から、ラナさんにお話を伺います。えーっと、ラナさん、ドクターとお付き合いしてるんですか?」
「は、はい……」
「いつからですか?」
「え、と、二ヶ月、くらい」
「じゃあまだアツアツですよね。既に私とセックスしちゃってますけど」
「う……」
「ドクターに、浮気してごめんなさいって、謝った方がいいですよ」
 ラナはレンズを見つめながら「ど、ドクターくん、バニラと、浮気して、ごめんなさい……」と、息を少し荒くしながら、謝った。
 録画されたデータをドクターが見るとか見ないとか、そんな事は関係ない。こうしないと、イかせてもらえないのだ。頭の中は気持ち良くなる事でいっぱいなのだ。
「でも、これから浮気セックスするんですよね。何をして欲しいですか?」
「……、キスを、しながら、乳首と、乳首を擦りたい、です。クリトリス同士も、擦り合わせて、それで、イきたい……。そのあと、双頭ディルドで、突かれたい……。触手にも、イジメてほしい……♡」
 ラナの秘部は入り口を広げ、より愛液を垂れ流す。
「じゃあ、浮気セックスしますって、言わないと」
 バニラはそんな秘部に指を当てがい、入り口の縁をなぞる。きゅうっと口が閉じ、ラナは大きく喘いだ。
「あああっ、ああっ、はぁっ、はあ!はぁ、今から、バニラと、浮気セックス、します♡ごめんなさい、ドクターくん♡ドクターくんのおちんぽも、好きなのよ。本当よ。でもっ、バニラとのエッチも、気持ち良くて♡あああああああああッッッ‼︎」
 突然、溜まっていたものが躰の外へ飛び出した。
 指が二本、ラナのザラザラとした壁を何度も刺激してきた。たまらず噴出される潮に、躰は素直に跳ねた。指は止まる事なくGスポットを責め続ける。
「私とのエッチが気持ち良いなんて、嬉しすぎます。一時間半耐えたご褒美です、いっぱいイって良いですよ。あ、でもキスしながらクリイキしたいんでしたっけ。ごめんなさい、やりたい事あったのに、指入れちゃって」
「ひう、んふ♡んぅぅぅ♡バニラぁ……♡指、きもち……♡」
 バニラの首に腕を回し、舌を絡める。開いた足の間ではバニラの指が激しく動き、潮が何度も飛び出してくる。ぐちゅぐちゅと大きな音を立てながら、ラナの膣は待ち侘びた快楽に何度も中を締め付ける。
 バニラは胸の方へ唇をやり、乳房を強く吸った。白い山に赤い花が咲く。花は三つ四つと増えていくが、なかなか山頂には咲かない。
 悶えていると、バニラがにやりと笑い、桃色の舌が伸び、てっぺんに触れる。ラナはまた大きな声をあげ、全身で刺激を愉しむ。仰け反りながら胸を揺らし、乳首から来る電流と、膣から伝わる波に躰を激しくくねらせる。
 指が膣口から離れ、今度は肉芽に触れる。愛液でぬるぬるになった指と、潮でびしょびしょになった肉芽が擦り合わされ、ラナは歯を食いしばって絶頂を耐えた。
「我慢しなくていいんですよ、好きなだけイってください」
 乳首を吸いながら、肉芽を一定のリズムで転がしてくる。まだ数回しかバニラとは寝ていないが、ラナの好きな動きは把握しているようで、それに抗う事は難しい。
 枕を力強く握り、足の指をぐっと丸め込む。
「だめえぇ、すぐ、イっちゃうぅッ……」
 ドクターならここで激しく動かすか、指を離すのだが、バニラは一定のリズムを崩さず肉芽を擦り続ける。じわじわと確実に迫り上がってくる快楽は、一度も止められる事なくラナを襲い続ける。
 腰がベッドに沈み込み、背中がアーチを描く。乳首を舌で転がされると、背中はベッドの方へ逃げる。そうすると今度は肉芽が激しい刺激に耐えられない。何度もそんな動きを繰り返し、ようやくラナのたがが外れた。
「あああああああ‼︎」
 腰が揺れ、足が痙攣する。潮が吹き出し、少しだけレンズにかかった。
 我慢した分、押し寄せる快楽の波は全身に行き渡った。激しくなった息を整えようと必死に空気を吸い込む。
 バニラはサイドテーブルに置かれた飲み物を口に含み、口移しでラナに与えた。そのあと自分も飲み、双頭ディルドの先端に舌を這わせながら、レンズの向こうへ喋りかけた。
「これが、ラナさんのお気に入りのちんぽです。結構太くて舐めるの大変なんですけど、ラナさんは美味しそうに舐めます」
 はい、と空いている先端をラナに向け、二人でレンズを見ながらディルドを舐める。
 唾液で十分に濡れた双頭を、バニラが先に装着する。
「んっ……、ああ、おちんちんが入って、おちんちんが生えました♡今度ガンガン突けるようなグッズを買いますね♡」
 ラナの上に跨り、ゆっくりとディルドをラナに突き立てる。ずぶずぶと飲み込まれていき、もう少しで二人の秘部がぴたりとくっつきそうだが、二人から漏れる声は限界のようで、苦しそうだった。
「ああ、凄い。ここまで奥に入るの、初めてじゃないですか……?」
「あ、あ♡ふか、い♡」
「このディルドを使うの、四回目なんですよ。昨日買って、ハマっちゃって、何回もセックスしました♡ね、ラナさん」
「うん♡バニラと、いっぱいセックス、した♡」
 バニラは腰をゆっくりと持ち上げ、ゆっくりと落とす。動くたび、二人から甘い声が、時折苦しそうな声が漏れる。カメラは二人の結合部をしっかりと捉え、玩具で遊ぶ二人の女の子を記録し続ける。
「あ……、バニラ、もっと、激しく……♡」
「ええ、良いんですか?こんなに深く入ってるのに……」
 少し考えて、バニラは思いきり、強く腰を打ちつけた。
「あ゛ッ♡」「ぐう♡」
 二人から同時に、苦しそうな、気持ち良さそうな声が漏れ、バニラは再び強く腰を落とす。徐々に速度が早くなり、揺れるベッドも手伝い二人の秘部はぴたりとくっつき、そして離れる。
 キスをしながら腰を激しく振る。くぐもった声が部屋に響き、徐々に水音が増す。
 先に果てたのはラナの方だった。バニラを抱きしめながら、少量の潮を吹き、腰が震え、ディルドを飲みこむ唇が震える。足をピンと伸ばし、気持ち良さそうな声をあげる。
「ふふ、イっちゃいましたね。でも私がまだなので、もう少し付き合ってください」
 今度はバニラが気持ち良くなるために、無心で腰を振り続ける。ラナからは激しい喘ぎ声が出続け、バニラが果てる頃にはラナも絶頂を迎えていた。
「ほら、早漏ヴァルポでしょ」
 と言いながら、ぐずぐずになった膣から、どろどろになったディルドを引き抜いた。バニラはラナの膣に入っていた方を、ラナはバニラの膣に入っていた方を咥え、互いの愛液を舐め合った。そしてキスをし、また体液を交換しあう。
 バニラは再びラナの上に乗り、「マルコ、トゲオ、ツヨシくん」とペットの名前を呼んだ。ムシたちが移動してくる間、バニラは肉芽と肉芽を当てがい、躰を揺すって軽く刺激した。そんなに激しくない動きでも、ラナにとっては最高の快楽のようで、身を捩りながら悦びの声をあげる。
「あああああ‼︎クリ♡クリ好き♡あああ‼︎バニラ、好き♡もっとして♡もっと♡」
「ラナさん、私も好きですよ。大好きです。クリトリスを擦るの、気持ち良いですね。これから触手もきますよ、いっぱいイキましょうね」
 腰が腰の上を滑り、何度も往復する。二つの筋からは蜜が溢れ出ている。

 やがてベッドの上に、黒い物体と動く金属が現れる。バニラはそれらを撫でながら名前を呼び、そして軽く叩く。合図を送られたムシたちは、言い付け通りに触手を伸ばす。
「セックス中に触手責めされるの、初めてですね」
 割れ目が重なる間と、二本の割れ目に触手が伸びる。するすると中へ入っていくと、二本、三本と入る本数が増えていく。
「ぐあっ……、はぁぁあ……」
 Gスポットだけではなく、膣内の隅々まで触手は伸び、遠慮なく子宮の中にまでやってきた。バニラに散々子宮を弄られたせいか、以前ほど苦しくない。
 触手がピストン運動を始め、二人で悶える。
 ラナの頭上では、悦んで笑っているバニラの顔が揺れる。
「マルコぉ♡そう、そこ♡あああ、うまく、なったね♡んんん♡」
 クリトリスを擦る触手の動きも手伝い、ラナはまた一人で果ててしまった。
 触手は締め付けを感知し、大量の精液を流し込んでくる。
「お……、おぉ……、でて、るぅ……♡」
「イったら射精するように、教えてるんです♡ほんと、簡単にイっちゃって、恥ずかしくないんですか?」
 乳首を弾きながら、ラナのイキ顔を眺める。
 触手が抜かれ、どろりと精液が溢れ出てくる。
 バニラは触手を入れたままラナから離れ、小型ハガネガニのツヨシを持ち上げると、いきりたった細いペニスを舐め、精液が溢れるラナの膣へ押し込んだ。
「はぁ、はああああ‼︎子宮に……、入って……♡」
「ツヨシくんのおちんちんは、細くて硬めだから、すぐ分かりますよね。じゃあ、お互いムシたちで気持ち良くなりましょう♡」
 バニラは壁に背中を預け、足を広げて触手の動きを感じながら、自分の胸を揉みしだく。ピンと勃った乳首を摘み、くりくりとこね回し、引っ張り、胸の奥へ沈める。
 ラナは終始仰向けで足を広げ、股間の上で蠢くムシの運動でよがっている。
「あっ!あああ!子宮、壊れちゃう!奥、突かないでえぇぇ♡」
「あ、もっと、もっと挿れて……、はああ♡あ、あ、くる、くるっ」
 バニラの中に入ったオリジムシは、子宮の中を撫で続け、そして精液を吐き出す。バニラの腹が膨れ始め、顔は気持ち良さそうに笑顔になる。
 ラナはずっと悲鳴をあげていて、最後に大きな叫び声と共に、こちらも腹がぐんぐん膨れ始める。
 ムシたちに犯され、絶頂を迎え、膣から射精をする乙女たちは、ベッドの上でその余韻に浸った。

 バニラは思い出したように、記録し続ける携帯端末へ手を伸ばし、画面の向こうへ手を降って録画ボタンを止めた。




 ドクターは携帯端末に流れる記録ビデオを最後まで見た。一時間に満たないが、濃厚な内容のそれを記録したバニラを褒め称える。
 バニラもドクターの撮影っぷりを褒めた。
 二人が喜んでいる声を、ラナは項垂れながら聞いている。早送りもせず、シーンを飛ばしてみる事をせず、一時間近くも大真面目に最後まで見る二人には、本当に頭が上がらない。

 バニラとの浮気宣言を録画した日から数日後。昼間はドクターと、夜はバニラと交わる事になったラナは、バニラの部屋で貝合わせを愉しんでいた。
 絶頂を迎えそうになった時、部屋の扉が勢いよく空いて、見慣れた黒いコートがずんずんとラナに迫ってきた。

 話を聞くと、ペットの世話を任された頃から、ドクターは異変に気付いていたという。
 ラナを責めてもどこか上の空で、ペニスじゃない何かを考えているようだった、と。
 ペットの世話を任されている話を聞いていたが、バニラの部屋に入ったら中々出てこない事。バニラが外出から戻って来たら、二人が一緒にいる事が増えた事。ある日ラナが早退し、バニラの部屋から中々戻って来なかった事。翌日バニラを問い詰めたら、あっさり白状し、記録ビデオの冒頭を見せて来た事。
 そして今。まさに修羅場中である。

 バニラはドクターの乱入を知っていたようで、あえてセックスをしていたという。二人を責め、でも責めるのはお門違いか、でも酷い、と混乱していると、二人は和やかにハメ撮り映像を見せあった。目の前で過去の痴態を再生する二人を止めようとしたが、普段から鍛えているバニラと、男性であるドクターの二人に押さえつけられると、抵抗してもびくともしなかった。
 あっという間に両腕を縛られ、抗議をするラナの口にギャグボールが咬まされる。
 もう後は、抵抗する気は起きなかった。アナルをピストンされながら泣き喚く自分の声と、双頭ディルドでよがる自分の声、仲良く記録ビデオを見せ合う二人の談笑を聞きながら、何も考えずに時間が過ぎるのを待った。

「ドクター、彼女に浮気されても平気なんですか」
 記録ビデオを見終わったバニラは、ラナの乳首を摘みながらドクターに問いかけた。
「平気じゃないけど、本物でも偽物でもよがるラナには呆れたなぁ」
 ドクターはラナの肉芽を弄り、ラナを見つめる。
「浮気は悲しいけど、ラナもしたくてした訳じゃないんだよね」
「ふぅっ、ふぅっ♡」こくこくと、懸命に首を縦に振る。
「流石に気付くよ。三度イっても満足しないラナが、一回で満足そうにするから、何かあるなって。最初は激しいオナニーでもしているのかと思ってたけど、蟲姦に夢中になっていたとは。その後はレズセックスでしょ。見境ないな、お前」
 指が膣に入り、ぐじゅぐじゅと音を立ててラナを責める。
「んんんうううう‼︎うううっ、うううっ♡♡♡」
「もう俺の指じゃイけないんだろうな……、悲しいよ。ディルドを突き立てられて、触手に犯されたガバマンは、もう普通の責めじゃイけないんだろうなあ」
「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛♡♡♡」
 ラナの膣は痙攣を始め、足がガクガクと震える。潮を盛大に吹きながら、甘噛みされる乳首に悶える。
「早漏ヴァルポだから、何されたってイきますよ」
「ん、ふぅ、ふう……」
 反論出来ないまま、二人はラナの躰をいじくり回す。
 今でもドクターの責めは気持ちが良いし、的確に弱い所を責めてくる。今まで焦らされていたのは、イき続ける事を少しでも遅らせてくれていたのかもしれない。それでも簡単に果てたし、気絶もするから、ドクターにとっては骨が折れるセックスだったのかもしれない。
 それを満足出来ないからと、バニラに甘えたのは早計だった。バニラはあまり焦らさず、ラナがして欲しい事をすぐに叶えてくれた。その方が満足出来ると、思ってしまった。

 バニラがラナのクリトリスを犬のように舐めていると、ドクターも服を脱ぎ、全員裸になった。ペニスは半立ちになっており、それをバニラの顔に近づけた。
「二人にはお仕置きをします。一応上司だからね、辛いけど」
「辛いのはラナさんだけじゃ……」
 バニラは躊躇なくドクターのペニスを頬張る。頬の内側を変形させ、慣れた様子でペニスを扱く。ペニスはあっという間に反り立ち、強く脈を打つ。
「……ん、なんだ、上手いな、バニラ」
「本当ですか?初めて舐めたんですけど……。昇進出来ますかね」
 肉棒を指で扱きながら、舌で先端を舐める。
 ラナはその様子を見て、目を背けた。大好きなドクターが、他の子のフェラで気持ち良くなっている——胸がズキズキと痛み、悲しみが溢れ出す。
「ラナ」
 ドクターに呼ばれて、恐る恐る目を合わせる。
「お前も、俺に同じ思いをさせたんだぞ。目を背けないで、ちゃんと見てなさい」
 厳しい声にラナの心は一層乱れたが、フェラを続けるバニラから目を離さないよう、懸命に堪えた。
「もう、そんな事言って。本当はラナさんに三人で遊ぶ事を受け入れさせたいだけじゃないですか」
 肉棒の根本を強く握り締めながら、裏筋を丁寧に舐めていく。
 幼い顔が太い肉棒を飲み込み、首を激しく動かして竿を扱く。ドクターは満足そうに金髪が揺れるのを眺め、そこに生える角に気がついた。両手で角を掴み、今度はドクターが激しく腰を振る。バニラは目を瞑り、ドクターのされるがままになっている。
 ドクターのピストンが止まり、バニラは顔を顰める。口からペニスを引き抜くと、急いでラナの元へより、ギャグボールを外して、ラナと唇を重ね合わせた。
 バニラの口から、射精したてのドクターの白濁液が流れ込んでくる。バニラの柔らかい唇と、良い香り。それを打ち消す生臭い匂いのどろりとした液体を、一滴も残さず飲みほす。バニラは全てをラナに渡し、残ったモノを無理矢理喉の奥へ追いやる。
「うえぇ……、人間の精液って、臭いですね」
「それを嬉しそうに飲む人もいるんだよ」
 精液を口移しされ、とろんと蕩けるラナを見て、「あー」とバニラは納得した。

 ベッドの上で再び躰を重ねるヴイーヴル族とヴァルポ族は、黒づくめの人物が入ってくる前の高ぶりを再現しようと、夢中になって下半身を擦り合わせる。
「あ♡あ♡いい、クリ、好き♡」
「はぁっ、はぁっ!ああッ!」
 くちゅくちゅと音を立てながら擦り合わされる二つの秘部を、じっくりと観察するドクター。時折見える穴に指を入れたり、尻を撫でたりちょっかいを出す。
「気持ち良さそうだな」
「ドクターも、間にどうぞ♡挟んであげます」
 ラナにのし掛かるバニラは、腰を少し持ち上げて、粘液が糸引く柔らかい肉の間に肉棒を入れるよう誘う。ドクターはラナの割れ目に沿って肉棒を当てがい、バニラとラナの間でゆっくり腰を振る。新しい熱を肉芽に感じ、それがバニラの加減で押し付けられたり、少し緩んだりする。拘束を解かれたラナは目を瞑り、三人でする初めての遊びに少しづつ心を開いていく。
「ううう♡これすごいぃ……♡ドクターくんの、おちんぽが、いっぱい擦れるぅ♡」
 肉芽が裏筋に擦られる度、ラナの入り口がひくひくと切なさそうに蠢く。
 バニラも初めての肉棒の感触に夢中になっており、必死に腰を振り続ける。
 ぬるぬるになった三人の下半身は激しく動き、三者三様の熱い息を吐きながら喘ぐ。
 ふと、ドクターの肉棒の感覚が消える。どうしたのかと思った瞬間、頭上のバニラが顔を歪ませ大きな声を上げた。ぶるぶると震え、枕に顔を埋める。その間もドクターは腰を振り続け、強張るバニラの躰が揺れ続ける。
 ああ、バニラの中に挿入れたのか——
 バニラを抱き締めながら、ぼーっとする頭でドクターを眺める。
 再び違う女の子を弄ぶ恋人に嫉妬を覚える。
「今、ラナが浮気したバニラの中で、俺も浮気してるよ」
「あッ!あ゛ッ♡あッ、あッ♡」
「触手を入れまくってるからゆるいと思ったけど、結構キツいな。鍛えてるからか」
「う゛う♡ああ、おちんちん、すご♡触手と、全然、ちがッ♡」
 ギシギシとベッドの軋む音と、初めてのペニスでよがる浮気相手。目を細めながら腰を懸命に振る恋人に、ラナはおかしくなりそうだったが、コリコリと肉芽が擦れ、そんな考えも吹き飛んでしまう。
「んふッ、ドクターくん、私も、ほしい……ッ」
「ああ、おちんちん、気持ち良い♡ああ♡ああぁ♡」
 バニラの躰は初めてのセックスにすぐ順応した。触手で激しい自慰を日々繰り返していたおかげで、硬い肉棒が入ってきても痛くなかった。時折ポルチオに擦れる感覚は、触手では味わえないものだ。
「イく!イきます!ラナさん、私、おちんちんで、イきますッ」
 腕に力を込め、躰を丸めて歯を食いしばる。
 びくっ、びくっと、バニラが果てる感覚が腰から伝わってくる。
 ラナの躰にもたれ掛かり、はぁはぁと躰で呼吸をする。バニラの頭を撫でてやると、ラナの躰の入り口に慣れ親しんだものが訪問してきた。
「あッ……!はぁッ!」
 ドクターは肉棒をラナの膣へ押しやり、思うままに腰を振る。バニラの愛液とドクターのカウパー液が、ラナの蜜壺の中でかき混ざっていく。
「ああ、やっぱりラナの中が気持ち良い」
「あッ♡あッ♡あッ♡おちんぽ♡おちんぽ♡好き♡」
 ラナが性器の擦り合わせに夢中になる姿を、バニラはじぃっと見つめる。クリトリスを合わせる時や、ディルドで果てるラナの顔とは違う。幸せそうで、嬉しそうで、愉しそうだ。少しだけ悔しくなり、乳首を摘んでやる。口で口を塞ぎ、肉芽を押し付ける。
「むぐっ、んんん♡んんぅぅうう♡」
「お、締め付けが増した。そんなにバニラが良いのか」
 そういうと、ドクターもより強く、ラナの好きな場所を責め立てる。
 全身から快楽という快楽が押し寄せ、視界が白く弾けた。呼吸の仕方も忘れ、下半身の痙攣が治るまでそれを愉しむ。
 締め付けが激しくなる壺の中を、肉棒は構う事なくかき混ぜ続ける。
 ようやく動きが止まり、壺の中で小さな割れ目同士が深く口付けをする。白濁を流し込まれた小さな口は、懸命にそれを飲み込もうと口を広げる。子宮が広がり、熱い液体を注ぎ込まれる感覚に、下腹部の震えはなかなか治らなかった。

 ラナとバニラはベッドに横たわり、手を繋ぎながら蜜壺でドクターの指の動きを愉しんだ。愛液でぐちゅぐちゅと音が立ち、時折親指で陰核を撫でられる。
 バニラは慣れない指の責め苦に必死に抗おうとし、ラナは大好きな場所を擦られ簡単に果ててしまう。
「本当にイくのが早いなぁ」愛液でふやけた指を舐めながら、バニラの方を刺激し続ける。
「バニラ」ドクターはそう言いながらバニラの腕を引っ張り、壁に両手を付けさせ、お尻を持ち上げさせる。何をされるかすぐ把握したバニラは、痙攣を続けるラナに笑顔を向ける。「今から、ドクターと本気セックスしますね♡見ていて下さい♡」片足を持ち上げ、陰部を見やすくする。ドクターは持ち上げられた足を抱えながら、怒張した肉棒を濡れる割れ目の中へ押し込んでいく。
「ふうう♡やっぱり、おちんちんって、気持ち良いですね♡」
 ドクターは初めからバニラに向けて欲望をぶつける。激しく揺れる豊満な胸と、棒の影が蠢く細い腹、花びらはしっかりと肉棒を咥えており、太ももから膝に愛液が垂れていく。
「あッあッあッあッ‼︎はげしッ……ラナさんにも、こんな激しい事、してるんですかッ」
「ラナはガン突きが好みみたいだからね。マングリ返しして、体重を乗せると悦ぶんだ」
 顔を蕩けさせ、バニラは肉芽をいじる。
「ふうううッッ‼︎ラナさん、ドクターとの、セックス♡気持ち、良すぎですっ。これで、浮気なんて、ダメですよ♡あッあッあッ」
 足を下ろし、両足でしっかり立ちながら、後ろから突かれる事を愉しむバニラ。ラナはその様子を見ながら、乳首と陰核を擦り始めた。
「あッ♡今、子宮に♡はああ‼︎ドクター、うますぎ♡もっと、突いて下さい♡おほっ♡」
 バニラの子宮を遠慮なくノックし続ける肉棒を、躰は徐々に受け入れていく。入り口をめりめりとこじ開け、最後の一突きで先端が全て入った。
「おお゛ッ⁈ぉああああ……、あああ゛あ゛あ゛♡♡♡」
 子宮の中に大量の精液が注ぎ込まれる。バニラは弾ける視界と下腹部の痛み、快楽に支配されていく。
 全て注がれ、亀頭が部屋から無理矢理出てくる。バニラは再び嗚咽を上げ、床にへたり込んでしまった。割れ目から大量の白濁を垂れながし、だらしない顔で絶頂を味わっているようだった。

 ドクターはラナの方へやってきて、自慰を続ける彼女に優しく口づけをする。
「ラナの事も後ろから突いてあげる。これで仲直りしよ」
「……♡うん♡」
 果てているバニラの横に立ち、尻をドクターに向ける。これからあの肉棒が、ラナの事を責め立てる。そう思うと躰は期待をし始め、割れ目は愛液を垂れ流し始めた。
 ドクターはそんなラナの尻を、思い切り叩く。急に来た痛みに躰を震わせ、叩かれた場所が熱を帯びる。同じ場所をまた叩かれると、思わず声が出てしまう。
「仲直りの前に、もう一度叱っておかないと。もう二度と浮気をするなよ」
 バシッ、バシッと音がなる度に、尻が揺れ、赤みを増していく。
「ごめん、なさいっ!もう、しません♡ごめんなさい♡ひぐっ♡」
 そうやって叩かれている間も、下の口から涎は止まらない。
 ようやく割れ目にものが当てられ、案の定、勢い良くラナの躰の中へ押し込まれる。ラナは赤くなった尻を自ら揺らし、肉棒を味わう。
「お仕置きされた直後に、オナニーするなよ。下品だな」
「ごめ、なさ♡あんッ、ひんッ♡ひふ♡」
「ほら、動いてあげるから」
 ラナの尻を撫で、腰をぐりぐりと押し付ける。子宮に亀頭が押し付けられ、バニラと同様に中へ中へと侵入しようとする。
「かはっ……、は、あッ!」
 息も絶え絶えに、ラナは激しい責めに耐える。
 ふと亀頭が離れ、そしてまた子宮を突かれる。今度はポルチオを擦って奥の壁へ。何度も何度も壁を突かれ、そして再び子宮を押し潰される。
 尿道から勢いよく潮が飛び出し、目の前の壁と床を汚していく。
「はあッ、はぁッ、あっ、あ゛あ゛ッ」
 ドクターに責められ絶頂しているラナに、バニラは腕を伸ばす。勃起している肉芽を転がすと、足はガクガクと震えた。
 ドクターも再びピストンを始め、ラナは頭を真っ白にさせイき続けた。
 疲れ果てた躰に静液が注がれる。脈打つ熱い肉棒と、熱い白濁をじっくりと味わい、ラナも床にへたり込んで、「もう、浮気♡しません……」と言いながら、深い眠りについた。

 ◆ ◆ ◆

 それから、ラナは二人に弄ばれるようになってしまった。
 昼間は作業をする部屋でドクターにイかされ続け、夕飯前にはバニラに玩具で責め続けられる。翌日の仕事や作戦にもよるが、寝る前は二人から何度も責められる事もある。
 浮気をしませんって言ったのに……これは浮気に当たるのではないか。
 そう思ったが、口にはしなかった。
 二人は愉しそうにラナを虐めるし、ラナもそれを望んでいるから。