深夜にドクターとセックス

 食べ物を粗末に扱ってはいけない。指で満足できなかったからといって、膣にキュウリを捩じ込んだのは浅はかだった、と自室の冷蔵庫とゴミ箱を見る度に反省する。
 同時に、冷蔵庫から取り出したての冷たさと、ペニスとは違う硬さ、Gスポットやポルチオに当たった時の感覚も思い出してしまい、あれから毎夜自慰行為が続いている。

 胸を触るのも早々に、自作のローションを少しだけ秘部に垂らす。ひんやりとした感覚の後、じわじわと秘部が熱くなってくる。
 肉芽の皮を剥き先端を露出させる。奥の方へ逃げ込んでしまう肉芽を軽く撫でると、下半身に力が入る。深い息を吐き更に指を動かすと、鋭い快楽が下半身を襲う。
「はぁ……、はぁ……、ドクター、くん……」
 ドクターの指使いを思い出しながら、同じように指を動かす。太くゴツゴツとした男の指は、肉芽を丁寧に撫で回す。ゆっくり、ゆっくりと、少しづつ快楽を与えていく。
「ああぁ……、もっと……、もっと強くしてぇ……激しくして……」
 想像上のドクターにおねだりをする。肉芽を硬くさせた時の激しい快楽が欲しい。ビリビリと全身に電気が走るような、足を閉じてしまいたくなるあの感覚が欲しい。
 それでもラナはゆっくり優しく肉芽を撫で続ける。想像上のドクターは優しく微笑みながら、ラナがもっと淫らになるのを待っている。
 足をより広げ、少しでも指で強く押されるよう腰をヘコヘコと動かす。みっともないが、ドクターはそんな姿が好きなようで、必死にねだるとより気持ち良くしてくれるのだ。
「クリトリス、気持ち良いの……。もっと気持ち良くなりたい……。ドクターくん、ドクターくんっ……!」くちくちと、ローションが擦れる単調なリズムが鳴る。
 ぐりっ、と一瞬肉芽が強く潰れた。「あっ」と出すつもりのなかった大きな声があがり、同時に指を強く激しい動きに変える。ぬちぬちとローションが音を立て、目を開けていられなくなる。
「ああっ!ああっ!ドクターくんっ、気持ち良いッ!指、気持ち良いッ!」
 何度も何度も肉芽の上を指が滑り、徐々に硬くなっていく感覚が強くなってきた。
「勃っちゃう、クリトリス勃っちゃう!だめっ、ああ、ああっ!あああぁっ‼︎」
 ビクッとラナの躰が跳ねる。肉芽は赤さと硬さを増し、外気に触れる部分が増していく。もう奥へ逃げ込める小ささではない。
 敏感さが増したそこを転がすと、先程とは比べ物にならない快楽が全身を駆け抜ける。この感覚が好きで、ラナは夢中で肉芽を撫で続けた。
「あ゛ぁッ、んあ゛!ああ、出ちゃう、おしっこ、出ちゃう!指、止めてッ!止めてぇ!」
 指を動かしているのはラナ自身だが、想像上のドクターは指を止める気配がない。
 耳元で「出しちゃえ」と声が聞こえた気がした。ドクターが我慢しなくていいと言っている。ベッドの上で、シーツをぐしょぐしょにしていいから、みっともなく果てろと、その姿が見たいと言っている。
 肉芽はより硬さを増し、同時に尿道から透明の液体が噴出された。弧を描き、潮は白いシーツを濡らしていく。
 ラナはそれでも指の動きを止める事なく、次の快楽の波を呼び続ける。我慢する必要がないと緩みきった尿道からは、絶えず潮が漏れ続けていく。
「んあぁぁぁ…!イってるのぉ……!ドクター、くぅん……‼︎」
 過去にされた事がある責めを、一人で思い出しながら再現に努める。

 あの時、ドクターはいきり勃ったクリトリスを休ませる事なく責め続けた。単調な動きを続ける指は、ラナの快楽の栓を取り去ってしまったのだ。
 下品で汚い声が止められなくて、そんな声を聞かれたくなかったから何度も辞めてと叫んだ。指を止めようと手で押さえつけたけれど、クリトリスが形や向きを変える度、手に力が入らず、指の動きを止める事が出来なかった。
 逃げようとすると、ドクターは覆い被さってキスをしてきた。閉じる事を忘れた口に舌が入って来て、その間もクリトリスは苛められ続ける。
 潮が何度も何度も噴射され、足も尻尾もべちゃべちゃで、訳が分からなかった。
 ドクターの指が離れる頃には、ラナの体力は限界だった。足を動かせなかったので秘部を曝け出し、クリトリスも乳首も硬く勃起し、目は何処を見ているのかも分からない。そんなラナの足を持ち上げ、ドクターは膨張したペニスを膣内へ押し込んで来た。

「どくっ……たぁ……」潮が吹き、躰がビクビクと痙攣する。
 何度も思い出しながら、同じ自慰を繰り返してきた。初めは一回達すれば、その後肉芽に触れる事が出来なかったが、今では達した後も肉芽を触り続ける事が出来る。
 今日は連続で三回も絶頂を迎える事が出来た。

 息を整えた後窓を開け、シーツとベッドパッドを剥ぎ、汚した箇所を軽く水で濯ぎ、出来るだけ硬く絞ってから濡れた部分が内側に来るよう、丁寧に畳んだ。軽くシャワーを浴びたらロング丈のキャミソールとカーディガンを羽織り、シーツ類とワンピース、下着や部屋着をランドリーバッグへ入れ、ランドリールームへ向かった。
 シーツなど、共有出来る物の洗濯は、指定の場所に出せば担当者が洗ってくれる。ラナは嗅覚が優れているが故に、二日目のシーツはあまり心地よく眠れず、普段から毎日シーツを交換している。加えて明日は休日だ。「夜更かしをしていたら気になってしまって、洗濯に来たのよ」と言い訳を用意して、少しでもそれっぽくなるよう今日一日着た衣類も持ってきたのだ。
 シーツ類を指定の籠に入れ、自分の衣類はランドリールームの洗濯機に放り込む。洗濯と乾燥が完了するまでおよそ一時間の表示を確認し、自室へ戻ろうとした時、ドアから黒い影が入って来た。ラナが今一番会いたかった黒い影は、両手に衣類を抱え、なぜこんな時間に、と驚いた表情をしていた。

 ドクターは「洗濯物が終わるまで、話をしよう」とラナを自室へ迎え入れた。もちろんその台詞が部屋へ誘う口実だという事は承知している。
 この部屋には何度か入った事があるが、相変わらず殺風景だった。ベッドとデスクがあるだけで、本当に寝るだけの部屋なんだと思わされる。
 部屋に入るや否や、二人は抱き合い熱い口付けをした。最後に療養庭園で交わってから六日も経ってしまったのだ。流石に会議が立て続けにあったり、他のオペレーターがいては抱き合えない。秘書の立場を利用してドクターと二人きりになる事も出来たが、仕事で疲れているかもしれないと思うと、それは出来なかった。
 ベッドへ押し倒され、キャミソールの上から胸を撫でられる。「ん」と甘い声がラナから漏れると、ドクターは掌を胸の上でゆっくりと動かす。キャミソールが擦れ、掌の熱が伝わってくる。指が胸の突起へ伸び、爪で何度も弾かれる。
「んふぅっ、んぅぅ」ラナは身をよじりながら、唇と乳首の両方へ意識を集中させる。ついさっきまで想像していた欲しいものが、現実となって躰を刺激している。
 一度は落ち着いた秘部の疼きを感じ、ドクターの手を足の間へ誘導する。ショーツ越しの秘部へ、ゴツゴツとした熱い指が触れ、嬉しくて舌をドクターの口の奥へ捩じ込む。
 ドクターはショーツが濡れるのもお構いなしに、秘部の割れ目を撫でてきた。それに応えるように、少しでも秘部の奥へ指が入るようラナは足を開く。じわっとショーツが濡れるのを感じると、指の動きが少し激しくなり、ショーツごと指を穴の入り口へ押し込んできた。「あああ……」首を仰け反らせ、自慰の続きが出来ると躰が悦ぶ。
「さっき一人で、エッチ、してたの。クリトリスを触って、イっても触るのを辞めなかったの……。いつか、ドクターくんがしてくれた事を、思い出しながら、勃起して、イってるクリトリスを触り続けてて……三回も、連続でイってしまって……」
 布越しに穴の入り口を擦られながら、先程した自慰を思い出す。
 ドクターは微笑み、「それ、みたいな」とラナの足を開き、ぐしょぐしょになったショーツを脱がす。愛液で濡れた秘部を見られ、ラナは少し恥ずかしがりながらも、豆の皮を剥き、指に愛液を着け塗り込むように実を撫でていく。
「んッ……ああっ、こうやって、たの♡ああっ、クリ、好きぃ♡」
 擦られ赤くなっていく実にドクターの顔が近づいていく。舐めてもらえるのではないか、愛液を垂れ流す壺の口を指で塞いでくれるのではないか——期待がどんどん膨らんでいくと同時に、膣口はくぱくぱと動きながら訪問者を待ち、愛液を垂れ流していく。
 肉芽も膨らんでいき、あっという間に勃起を完了させた。
「ひぐ……、もう、勃っちゃった……」
 充血し赤くなった肉芽をドクターに見てもらう。ぴくぴくと揺れながら、次の刺激を待っている。震える指で愛液を掬い、肉芽へつける。中指と薬指を使い、一番気持ちが良い擦り方で絶頂が来るのを待つ。
「くぅっ!はあ、はあ、はあッ!クリ、きもちいッ!ドクターくん、見ててっ、わたしが……クリイキするところ、見ててッ……‼︎ああッ!イく!イくぅぅ‼︎」
 ドクターの目の前で自慰をしているという羞恥心も手伝い、あっという間に躰は絶頂を迎えた。ドクターはラナの尿道口へ口を当てがい、飛び出る潮を口に迎え入れた。ガチガチになった肉芽も口の中へ入り、ドクターの舌は肉芽と尿道口を交互に舐め上げる。
「あぁぁああぁッ‼︎」
 柔らかく熱い舌が肉芽を襲い、その度に潮が噴き出る。
 時折ドクターの喉からごくりと音がなり、その後また肉芽を転がされる。
 絶頂中の肉芽には耐えられない気持ち良さだが、温かくぬるりとした感触はもっと長く感じていたいものだった。
「ちゃんと皮を剥いて」
 両人差し指を使い、言われた通りに絶頂後の腫れたクリトリスを、しっかり剥き出しにする。それだけで若干気持ちが良くて、声が漏れてしまう。肉の芽は奥へ引っ込もうと、ひくり、ひくりと動いているが、もちろん逃げられない。極力肉芽を露出させるよう皮は押さえ込まれ、これから行われる責めに期待が膨らんでいく。
 ドクターはそんなクリトリスをまじまじと見つめ、「ちゃんと押さえてるんだよ」というと、膣口へ人差し指を入れてきた。直後に濡れた人差し指が肉芽を激しく弾く。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッ‼︎」
 ビリビリと強力な電気が全身を駆け巡ったような強い刺激に、足と腰がびくびくと強く跳ねる。ドクターは微笑みながら「すごいね」と何度も何度も肉芽を弾く。
 指に弄ばれる事を受け入れるしかない肉芽は、躰の中へ逃げ込みたくても逃げ込めず、ドクターの気が済むまでその快楽を受け止め続けるしかない。
 時折爪が果実を軽く引っ掻くと、気持ち良いを通り越して痛みが襲ってくる。
「ひあっ!ああ、ああ!あ゛あ゛ッッ‼︎あはああ゛ぁ‼︎」
 悲鳴に近い喘ぎ声が部屋に響き渡る。痛みがあるのに、不思議と気持ちも良い。常に痛くされる訳ではなく、たまにくる痛みがアクセントとなりクセになってしまいそうだった。
「ああ、またクリが大きくなったよ。そんなに気持ち良い?ほら、いっぱい撫でてあげる。ラナは良い子だね」
「やあああ‼︎クリだめええええええ‼︎いぐうううううう‼︎」
 意識の全てを陰核へやり、指で弾かれるたびに視界が白くなる。それでもラナは肉芽の皮を押さえ続け、暴れ出しそうな足を懸命に押さえ続けた。
 仰け反り、普段からは想像も出来ない下品な喘ぎ声を出しながら果て続けるラナを、ドクターは満足そうに眺る。ラナが泣き、喚き、やがて反応が薄くなるまで、充血する肉芽を優しく撫で続けた。

 どれほど肉芽を撫でられたかわからない。息を整えていると、ぬぷっ、とドクターの指が膣へ押し込まれた。中指と薬指で肉壁を押し上げ膀胱を刺激すると、溜まった液体は簡単に外へ押し出された。全て出し切るまで指の動きは止まらない。
「おおお゛お゛お゛ッッ‼︎」ラナは予想外の快楽に抗えず、ベッドの上という事を忘れて尿道から快楽の水を勢いよく放出する。
 肉芽と蜜壺への愛情を受け止め、躰は震え、壺は痙攣を繰り返している。
 クリトリスは未だ責めを期待してピクピクと動いている。やはりドクターに責められると違う。何倍も気持ちが良い。虚空を見つめる瞳からは涙が、だらしなく開いた口からは涎が垂れ、上も下も水浸しになっていた。
 ぐったりとしたラナの足を持ち、ドクターは熱り勃った肉棒をドロドロの蜜壺の中へ押し込んだ。
「んあああ」
 まだ絶頂の真ん中にあった意識が呼び戻され、躰が熱いもので満たされていくのを味わう。
「ドクター、くん、まっ、て……、まだ、イって……」
 約一週間、待ち侘びたドクターの肉棒だ。しっかり形や硬さを意識しながらセックスをしたかったのだが、ドクターはそんなラナの想いなどお構いなしに膣内を掻き乱していく。
「あああ!はああん!だめ、なのおぉぉ!おちんぽ、だめぇぇッッ」
 ばちゅばちゅと、腰がぶつかり合う度水が飛び散る。ドクターはラナの足を自分の両肩へ乗せると、そのまま体重をラナに寄せてきた。お互いの腰がより密着し、肉棒は子宮口を何度も擦っていく。
「はあッ、はああッ!あぐっ!ふぅ!ふぅ!」
 胸が押し潰され、呼吸が思うように出来ない。その間も肉棒は膣内を愉しんでいて、子宮は異物を受け入れようと柔らかくなっていく。
「どくたぁ、くっ……!ん!あっ、あっ、あっ!」
 たんたんたん、とリズムよく腰が打ち付けられる度、ラナの肉壁は同じリズムで肉棒を締め上げる。
「おちんぽっ、すきぃ!きもちっ、いいっ!毎日、ほしいの!がまん、してッ!んあ゛っ、あ゛あ゛‼︎」
 押しつぶされた膀胱から、再び潮が噴き出して来た。ぐりぐりと腰を押し付けられると、更に潮がじんわりと出てくる。
「おぉ……、おおん……!お゛お゛ぉ!」
 ひゅーひゅーとか細い呼吸をしながら、いつの間にか来た絶頂に脳が支配される。
 あの日の調香室での交わり以降、膣内には何も入れていなかった。冷蔵庫の中の硬く細長いニンジンも我慢した。媚薬成分があるハーブをすり潰したすりこぎ棒も挿入れなかった。通販で玩具を買おうか迷ったが、やはり挿入れるなら本物がよかった。
「ぎも゛、ぢいい゛い゛」
 膣壁はこれ以上ないくらい肉棒を締め付けている。ラナが果てている最中、ドクターは腰の動きを早め、最後は勢いよく子宮口へ肉棒を捩じ込んだ。
 大量の熱い白濁液が注ぎ込まれ、ラナの意識はそこで途切れた。